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教育費と老後資金を別々に計算すると、支出が重なる時期を見落としやすくなります。将来を確定する数字は作れませんが、公的統計を仮置きし、家族の進路やご自身の年金見込額がわかった部分から差し替えれば、いま確認すべきことが見えてきます。

ポイントは、家族の年齢と進学時期を同じ時間軸に並べること、教育費の年額と入学時の費用を分けること、老後の平均支出とご自身の年金見込額を混ぜないことです。この順番で進めれば、「教育費と老後資金の総額がわからない」状態から、「どの年に何を確認するか」へ切り替えられます。

教育費と老後資金を家計表にまとめるポイント

教育費と老後資金の家計表で押さえること

最初から「必要総額」をひとつに決めようとすると、平均値とご自身の実額が混ざります。まずは「時期」「費用の種類」「数字の主語」を分けましょう。家計表は正解を一度で出すものではなく、予定と資料がそろうたびに更新する台帳です。

教育費の欄には、学校段階ごとの学習費と、入学時にかかる費用を分けて入れます。老後の欄には、統計で示された生活費と、加入記録に基づく年金見込額を分けて入れます。そしてすべての数字に、「統計」「個別資料」「ご自身の見込額」のどれかを添えます。

何から整理すればよいか迷う場合は、相談先を先に決めるのではなく、この記事の順番で家計表の下書きを作ってから相談内容を絞ると話しやすくなります。

家族の年齢と進学時期を年表にする

家計表の縦項目に「年」「家族の年齢」「学校段階」「教育費」「生活費」「収入・年金見込額」「メモ」を置きます。金額が未定でも、予定だけ先に並べて構いません。目的は進路を決めつけることではなく、同じ時期に何が重なるかを見ることです。

文部科学省の令和5年度調査は、保護者が支出した1年間・子供1人当たりの学習費総額で、高校は全日制に限られます。公立の年額は幼稚園184,646円、小学校366,599円、中学校542,450円、高校596,954円。私立の年額は幼稚園347,338円、小学校1,741,516円、中学校1,560,359円、高校1,179,261円です。

これは調査対象の平均であり、ご家庭への請求額ではありません。家計表では「統計の仮置き」と表示し、学校資料やご自身の予定額と分けます。金額だけを転記せず、「誰の費用か」「どの学校段階か」「統計か個別資料か」をメモ欄に添えてください。

兄弟姉妹など複数人の予定がある場合は、子供ごとに行を分けます。まだ決めていない進路はひとつに固定せず、公立と私立を別の案として残しましょう。進路が決まる前にどちらかを消すと、後から家計表を作り直すことになります。

家計表は、旅行の乗換案内に似ています。目的地だけでは乗り換えが重なる時期は見えません。年齢と学校段階を先に並べると、金額を置く場所が見えてきます。これは整理のための比喩で、統計の根拠ではありません。

年表に学習費の年額を仮置きする方法

教育費は年額と入学時を分ける

幼稚園から高校までは、毎年の学習費として学校段階ごとの年額を置きます。調査上の在学期間分は、すべて公立の場合、幼稚園532,177円、小学校2,197,261円、中学校1,626,133円、高校1,784,895円。すべて私立の場合は、幼稚園1,038,087円、小学校10,457,700円、中学校4,671,589円、高校3,521,361円です。

これらの在学期間分は、各年度の学校種別・各学年の平均年額を単純合計したものです。途中で進路が変わる場合や、個別の支出を示す数字ではありません。家計表には、年額を対応する年の欄へ仮置きし、在学期間分は全体感を見るための参考欄に残すと混同しにくくなります。

大学は、入学時と在学中を別欄にします。日本政策金融公庫の令和3年度調査では、大学全体の入学費用は子供1人当たり81.1万円、1年間の在学費用は149.9万円でした。国公立大学は67.2万円と103.5万円、私立大学・文系は81.8万円と152.0万円、私立大学・理系は88.8万円と183.2万円です。

同調査の対象は、64歳以下の男女で、高校生以上の子供を持つ保護者です。入学費用は2021年4月の入学に要した費用、在学費用は2021年4月から2022年3月までの見込額です。志望先の資料が得られたら、統計の仮置きをその学校の案内に差し替えます。

入学費用は入学する年の欄へ、在学費用は在学する年の欄へ置きます。ただし、統計の在学費用を将来の各年へそのまま複製し、確定額にしないでください。個別資料に更新した欄と、まだ統計の仮置きが残る欄を見分けられるようにします。

大学費用を入学時と在学中に分ける家計表

老後は平均支出とご自身の見込額を混ぜない

総務省の2025年平均では、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の消費支出は月263,979円でした。対象は、夫婦のみで、夫婦がともに65歳以上の無職世帯です。同じ世帯の実収入は月254,395円、可処分所得は月221,544円でした。

厚生労働省が示す2026年度の標準的な厚生年金のモデル額は月237,279円です。これは男性が平均標準報酬45.5万円で40年間就業した場合の老齢厚生年金と、夫婦2人分の満額の老齢基礎年金を含む給付水準です。適用期間は2026年4月から2027年3月までです。

同年度の老齢基礎年金の満額は、昭和31年4月2日以後生まれの1人分が月70,608円、昭和31年4月1日以前生まれの1人分が月70,408円です。これもご自身の受取予定額とは限りません。生年月日と加入記録を前提に、ご自身の資料で確認する必要があります。

支出の統計と年金モデル額は、別の条件で作られた数字です。そのまま引き算して、ご自身の不足額にはできません。家計表では「統計上の消費支出」「現在の生活から考える支出」「ご自身の年金見込額」を別の列へ置きます。

金額がまだわからない列は、無理に埋めなくて構いません。空欄が見えること自体が、次に確認する資料を教えてくれます。年金モデル額を受取予定額の欄へコピーせず、参考資料の欄にとどめると、条件の取り違えを防げます。

老後の平均支出と年金見込額を分ける方法

一人暮らしと家族世帯の作り分け

一人暮らしの場合

一人暮らしで現在は教育費の予定がない場合、教育費の欄を無理に埋める必要はありません。年齢、現在の生活費、収入、年金見込額を同じ時間軸に並べ、未確定の将来予定はメモ欄に残します。この形なら、後から家族構成や進路の予定が変わっても、必要な欄を追加できます。

老後の参考値として示されている「65歳以上の夫婦のみの無職世帯」の消費支出は、一人暮らしの家計にそのまま当てはめられません。対象条件が違うとメモし、ご自身の生活費は別欄で管理してください。年金についても、夫婦分を含むモデル額をご自身の収入欄に入れないことが大切です。

家族世帯の場合

家族世帯は、家族全員の予定をひとつの行にまとめず、人ごとに分けます。学校段階が重なる時期だけでなく、働き方が変わる予定や、年金を受け取る条件が異なることもメモできます。進路が未定なら、候補ごとに表を複製するのではなく、同じ年の中に別案として並べると比較しやすくなります。

家族会議では、「いくら用意するか」から始めるより、「どの予定がまだ未確定か」「どの数字が平均値のままか」を確認する方が進めやすいです。希望する進路を先に尊重し、個別資料がそろったところから表を更新しましょう。

家計表でつまずきやすい点

平均値をそのまま目標額にする

公的統計は、家計表を始めるための仮置きに便利です。ただし、学習費も高齢夫婦無職世帯の消費支出も、条件を持つ対象の平均です。平均値のセルに「うちもこの金額」と書くと、後で個別資料が届いたときにどちらが根拠かわからなくなります。仮置きと実額の欄を分けてください。

対象年の違う数字を同じ条件として扱う

幼稚園から高校の学習費は令和5年度、大学費用は令和3年度、高齢夫婦無職世帯の家計は2025年平均、年金モデル額は2026年度です。ひとつの表に置くことはできますが、同じ時点の数字として扱うことはできません。資料名と対象を金額の横に残します。

入学費用と在学費用をまとめる

大学費用は、入学時に要した費用と1年間の在学費用の見込額で定義が異なります。合計欄だけを作ると、どの年にどの種類の支出があるかが隠れます。入学する年の欄と、在学中の欄を分け、個別資料が届いたら対応する部分だけ更新します。

空欄を推測で埋める

未確定の進路、将来の生活費、ご自身の年金見込額は、根拠がなければ空欄で構いません。空欄の横に「学校資料を確認」「加入記録に基づく見込額を確認」など、次の行動を書きます。不明な金額を推測で埋めるより、未確認の場所を見える形にする方が、更新しやすい家計表になります。

よくある質問

進路が決まっていなくても家計表は作れますか?

作れます。進路が未定なら、公立と私立の統計を別案として残し、どちらかを確定額にしないでください。この段階で大切なのは、予定が重なる時期と、まだ確認できていない欄を見つけることです。

平均額より多く見積もるべきですか?

この記事で一律の上乗せ額は決められません。統計は統計の仮置きとして残し、学校資料やご家庭の支出予定がわかったところから個別資料の欄を更新します。根拠のない上乗せより、金額の出所を分けることを優先しましょう。

年金モデル額と消費支出の差を不足額にしてよいですか?

そのままご自身の不足額にはできません。消費支出は、65歳以上の夫婦のみの無職世帯という条件の平均です。年金モデル額にも、就業期間、平均標準報酬、夫婦分の基礎年金という前提があります。ご自身の生活費と年金見込額がそろってから、それぞれを別欄で比べてください。

一度作った家計表は、いつ更新すればよいですか?

学校から個別資料が届いたとき、進路や働き方の予定が変わったとき、ご自身の年金見込額を確認できたときなど、根拠のある新しい情報が手に入った部分から更新します。表全体を作り直す必要はありません。古い金額を消すだけでなく、何の資料に差し替えたかもメモしましょう。

保険や家計の相談を使う場合も、家計表の空欄と確認したいことを先に整理しておくと、何を聞くかが明確になります。

今できること

まず、家族の年齢と学校段階を年ごとに並べます。次に、教育費を年額と入学費用に分け、対象条件と資料名を添えて統計を仮置きします。老後は、統計上の生活費、現在の生活から考える支出、ご自身の年金見込額を分けてください。

各金額には「統計」「学校資料」「ご自身の見込額」のどれかを付けます。新しい学校資料や年金見込額が手に入ったら、該当欄だけを更新します。古い金額を消して終わりにせず、何の資料へ差し替えたかをメモすると、統計の平均が残っている欄と、個別資料へ更新できた欄を見分けられます。

家計表は、一度で完成させるものではありません。予定が曖昧な段階では別案を残し、資料が届いた部分から具体化します。教育費だけの表と老後だけの表を作って終わらず、同じ時間軸へ置くことが大切です。これで、将来のどこを先に確認すべきかが見えます。

見直すときは、表の先頭からすべて読み直す必要はありません。まず空欄と「統計の仮置き」の表示を探し、手元の資料で更新できるかを確認します。更新できない欄は消さず、誰が何を確認するかをメモしておきましょう。家族で共有する場合も、金額の大小だけでなく、根拠が統計のままなのか、個別資料へ差し替え済みなのかを一緒に確認すると、次の行動が決めやすくなります。

家計表の下書きができたら、関連記事も使って個別テーマを深掘りしてください。保険相談で何が決まるかを確認する記事では、相談前に整理したい内容を確認できます。家計表を手元に置いて読むと、相談したい空欄を見つけやすくなります。

出典一覧

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お得ガイド編集部
30代・都内在住。2019年から楽天・Amazon・Yahoo!ショッピングを中心に物販の副業を続けています。クレジットカードでマイルやホテルポイントを貯めるのが趣味(ANAダイヤモンド/JAL JGC会員)。初心者がネット通販で損しない「お得な買い方」を、わかりやすく発信しています。