保育料はどう決まる?住民税と育休の反映時期・計算方法を解説
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「育休で収入が減ったのに、保育料が下がっていない」と戸惑う人もいるはずです。保育料には、所得が減った年と料金へ反映される時期にずれがあります。この記事では、未満児の保育料を決める市町村民税所得割額、年度の切替月、育休の影響が出る時期を、横浜市の令和8年度資料を例に自分で試算する順番まで整理します。
未満児の保育料は年収そのものでは決まらない
まず押さえたいのは、認可保育所などの保育料表へ年収をそのまま当てはめるわけではないことです。こども家庭庁は、保育料について、国が定める上限額の範囲内で市町村が定め、保護者の所得である市町村民税所得割課税額等を基に算出すると案内しています。
実際の金額は、住んでいる自治体、子どもの認定区分やクラス年齢、保育必要量、きょうだい区分、世帯の状況で変わります。この記事では、保育料が所得階層に応じて決まる0〜2歳児クラスの3号認定を中心に扱います。横浜市では3〜5歳児クラスの利用料は無料ですが、給食費や遠足代などの実費、延長保育料は別に確認が必要です。
「世帯年収が同じなら保育料も同じ」とは限りません。給与から差し引かれる所得控除や世帯構成が違えば、算定に使う所得割額も変わり得ます。また、市町村が決める料金表や独自の負担軽減も異なるため、年収だけを入れる民間の早見表は参考にとどめ、最後は居住自治体の資料で確かめましょう。
計算の入口は父母の市町村民税所得割額
父と母の金額を確認して合算する
横浜市は、給付認定保護者とその配偶者の市民税所得割額を合算して負担区分を決めます。父母のどちらか一方だけではありません。父の税額決定通知書と母の税額決定通知書で、対象年度の市民税所得割額をそれぞれ確認し、合計額を料金表へ当てはめます。
ただし、給付認定保護者と配偶者の市民税が非課税の場合、横浜市は同居の扶養義務者である祖父母などを算定対象に加えることがあります。別居・同居や家計の主宰者の扱いも含め、通知書に記載された算定根拠が想定と違うときは、自治体の保育担当窓口へ確認してください。

住宅ローン控除後の納付額をそのまま使わない
横浜市の算定式は、所得控除後の金額に市民税率を掛け、調整控除額と所得割の調整措置の額を差し引く形です。政令指定都市では市民税率が変更されていますが、保育料の算定では従来の6%を用います。
住宅借入金等特別税額控除、配当控除、寄附金税額控除、外国税額控除、配当割額または株式等譲渡所得割額の控除は、横浜市の保育料算定では適用前の所得割額を使います。住宅ローン控除やふるさと納税で実際の住民税負担が減っていても、保育料の階層が同じように下がるとは限りません。
保育料の算定年度は9月に切り替わる
住民税は前年中の所得を基に決まり、横浜市は新しい市民税額等で保育料を更新する月を毎年9月としています。このため、保育園の年度が始まる4月ではなく、年度の途中で参照する住民税年度が変わります。
令和8年度の横浜市資料で、適用期間と所得の対応を並べると次のとおりです。
| 保育料の適用期間 | 使う住民税 | 住民税の基になった所得期間 |
|---|---|---|
| 令和8年4月〜令和8年8月 | 令和7年度市民税額 | 令和6年1月1日〜令和6年12月31日の所得 |
| 令和8年9月〜令和9年3月 | 令和8年度市民税額 | 令和7年1月1日〜令和7年12月31日の所得 |
適用月数まで書き足すと、同じ保育園年度の途中で料金が変わる理由を説明しやすくなります。通知額を検算するときは、金額より先に対象月をこの表へ当てはめます。
| 保育料の期間 | 期間の月数 | 参照する市民税 | 育休所得の反映を確認 |
|---|---|---|---|
| 令和8年4月〜8月 | 5か月 | 令和7年度 | 令和6年中の所得を見る |
| 令和8年9月〜令和9年3月 | 7か月 | 令和8年度 | 令和7年中の所得を見る |
ここで「令和8年度市民税だから令和8年4月から使う」と考えないことが大切です。実際の適用開始は令和8年9月です。年度表記と保育料の適用期間を分けて確認すると、通知された金額の理由を追いやすくなります。

育休で所得が下がった影響が出る時期
育休に入った月に保育料が自動で下がるわけではありません。横浜市では、育児休業に伴う収入減少は減免制度の対象にならないと明記しています。まず育休を取った年の所得が翌年度の市民税へ反映され、その市民税を使う9月の更新を経て、保育料へ影響する流れです。
例えば、令和7年中の育休によって課税対象となる所得が下がった人は、その影響が令和8年度市民税額に表れます。横浜市で令和8年度市民税額を保育料に使い始めるのは令和8年9月です。令和8年4月〜8月は令和6年中の所得に対応する令和7年度市民税額を使うため、入園時点の収入が減っていても以前の所得状況が残る場合があります。
ただし、父母の所得割額を合算するため、一方の所得が下がっても世帯の合計が同じ階層内なら保育料は変わりません。復職時期、配偶者の所得、所得控除の状況でも結果は変わります。「育休を取ったから下がる」と決めつけず、新しい税額決定通知書で合算額と階層を確認しましょう。
きょうだい軽減と自治体独自制度も確認する
こども家庭庁の制度案内では、対象となるきょうだいを数えたとき、最年長から2人目は半額、3人目以降は無料となる負担軽減が示されています。ただし、認定区分によって数え方が異なり、所得の低い世帯には数え方を広げる措置があります。実際の判定では、自治体の「きょうだい区分」を確認してください。
横浜市では、特定の施設・事業を利用している就学前のきょうだいを年齢順に数えます。0〜2歳児クラスは、きょうだい区分が第2子なら階層別の金額へ軽減され、第3子は0円です。また、市民税所得割額が57,700円以下の世帯、ひとり親世帯等では77,100円以下の世帯について、保護者と同一生計の子などを年齢や対象施設への在籍にかかわらず数える扱いがあります。
国の制度に加え、自治体が独自に利用者負担を助成したり、対象を広げたりする場合があります。横浜市の令和8年度案内では、0〜2歳児クラスの利用料は0円〜77,500円です。別の自治体に住む人は、この金額を流用せず、「保育料」「多子軽減」「独自無償化」の3点を自治体サイトで確認しましょう。

自治体の保育料表で試算する手順
試算は次の順番で進めると迷いにくくなります。
- 子どもが0〜2歳児クラスの3号認定に当たるか確認する
- 適用月が4〜8月か、9月〜翌3月かを確認する
- その期間に対応する年度の父母の市町村民税所得割額を確認して合算する
- 住宅ローン控除など、保育料算定で戻して扱う税額控除を確認する
- 合算額から自治体の負担区分を探す
- 保育標準時間・保育短時間、第1子・第2子の列を選ぶ
- 第3子や自治体独自の無償化・軽減の対象を確認する
横浜市の令和8年度料金表から、認定こども園の保育利用・認可保育所に通う3号認定の一部階層を抜き出すと、次のようになります。
| 負担区分 | 市民税所得割額 | 第1子・標準時間 | 第1子・短時間 | 第2子・標準時間 | 第2子・短時間 |
|---|---|---|---|---|---|
| D5 | 57,701円以上〜77,100円以下 | 16,500円 | 16,200円 | 5,800円 | 5,700円 |
| D10 | 138,601円以上〜169,000円以下 | 38,000円 | 37,300円 | 13,300円 | 13,000円 |
| D13 | 192,901円以上〜211,200円以下 | 47,500円 | 46,600円 | 21,400円 | 21,000円 |
| D27 | 397,001円以上 | 77,500円 | 76,100円 | 42,600円 | 41,800円 |
同じD10でも、第1子の標準時間は38,000円、短時間は37,300円です。第2子なら標準時間13,300円、短時間13,000円になります。保育標準時間は最長11時間、保育短時間は最長8時間という認定上の区分であり、自由に安い列を選ぶものではありません。横浜市では、就労なら月120時間以上の場合に標準時間、月64時間以上の場合に短時間と案内しています。
市民税が未申告だったり、確認資料を提出していなかったりする人は、横浜市では最高階層のD27になる場合があります。被扶養者で所得がない人も、必要な申告や非課税証明書の提出について自治体へ確認しておくと安心です。
通知額が想定と違うときの確認点
Q1. 育休に入った翌月から保育料は下がりますか?
横浜市では、育児休業による収入減少は減免制度の対象ではなく、翌月から自動で下がる仕組みではありません。育休を取った年の所得が住民税へ反映され、その税額を使う9月の更新時に階層が変わるかを確認します。
Q2. 令和8年4月の保育料は令和8年度市民税で決まりますか?
横浜市では違います。令和8年4月〜8月は令和7年度市民税額、令和8年9月〜令和9年3月は令和8年度市民税額を使います。住民税の年度名ではなく、保育料への適用期間を見てください。
Q3. 住宅ローン控除で住民税が下がれば保育料も下がりますか?
横浜市では、住宅借入金等特別税額控除を適用する前の市民税所得割額を保育料算定に使います。そのため、実際の納付額が下がっていても保育料の階層が下がるとは限りません。税額決定通知書だけで判断しにくい場合は、自治体の試算資料か担当窓口で確認してください。




