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ℹ️ 本記事は厚生労働省保険局の公表資料を基に2026年7月時点でまとめています。高額療養費制度は2026年8月・2027年8月に段階的な改正が予定されているため、申請時は加入している健康保険(協会けんぽ・健保組合・国保など)で最新の限度額をご確認ください。

最終更新日:2026年7月22日

📌 30秒でわかる結論

・高額療養費制度の自己負担上限は年収で決まります。年収約370万〜770万円の人なら、医療費が月100万円かかっても自己負担は月8.7万円程度です。

・2026年8月から自己負担上限が全区分で引き上げられ、新たに「年間上限」も導入されます。年収約370万〜770万円の人は月8.6万円+1%、年間上限53万円になります(出典:厚生労働省)。

・窓口での支払いを上限までに抑えるには「限度額適用認定証」が鍵。マイナ保険証があれば事前申請なしで自動的に上限止まりになります。

「がんになったら医療費で家計が崩れる」と思っている人は想像以上に多い気がします。実際、僕も保険の見直しで一番気になったのはそこでした。

ただ数字を追いかけると、日本には高額療養費制度という強力なセーフティネットがあります。医療費が月100万円かかっても、自己負担は年収に応じた上限までで済みます。

この記事は厚生労働省保険局が公表している資料を基に、2026年7月時点の制度内容を確認してまとめています。

年収別の自己負担上限額、2026年8月の制度改正の内容、窓口で上限までしか払わずに済む「限度額適用認定証」の取り方まで一通り把握しておけば、民間の医療保険をどこまで重ねるべきかも判断しやすくなります。

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ポチ:「医療費100万円って聞くと怖いけど、実際に払うのはそこまでじゃないワン🐾」

高額療養費制度とは、自己負担上限の考え方

高額療養費制度は、1か月(同じ月内)の医療費の自己負担額が年収に応じた上限を超えたとき、その超えた分が後から戻ってくる(または最初から請求されない)公的な仕組みです。会社員でも自営業者でも、健康保険に入っている人なら原則すべて対象になります。

上限額は年収(正確には健康保険上の標準報酬月額や所得)によって5段階に分かれているのがポイントです。年収が高いほど上限も高くなり、逆に住民税非課税世帯は上限がかなり低く設定されています(出典:厚生労働省保険局「高額療養費制度の概要」)。

入院の場合はあらかじめ窓口での支払いを上限までにとどめる「現物給付」の仕組みがあり、外来でも同一医療機関なら同様です。事前の手続きをしておけば、窓口で全額を立て替える必要もありません。この手続きが後述する限度額適用認定証です。

高額療養費制度の年収別自己負担上限額を比較した図解

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年収別の自己負担上限額一覧(2026年8月改正後の金額も掲載)

まずは現行(2026年7月まで)と、2026年8月以降の上限額を並べて見てみます。年収区分は5段階、70歳未満の場合です。

年収の目安 現行(〜2026年7月) 2026年8月〜
約1,160万円〜 25.3万円+1% 27.0万円+1%
約770万〜1,160万円 16.7万円+1% 17.9万円+1%
約370万〜770万円 8.0万円+1% 8.6万円+1%
〜約370万円 5.76万円 6.15万円
住民税非課税 3.54万円 3.69万円

「+1%」の部分は、医療費が一定額を超えた分にだけ1%が上乗せされる仕組みです。

年収約370万〜770万円の人なら、正確には「80,100円+(医療費-267,000円)×1%」という式です。2026年8月以降は「85,800円+(医療費-267,000円)×1%」に変わります。

数式だけ見ると身構えますが、次の章で実際の金額に置き換えます。

なお、直近12か月で3回以上該当すると4回目以降は上限がさらに下がる「多数回該当」という仕組みもあります。

この多数回該当額は、年収約370万〜770万円の層が4.44万円、約770万〜1,160万円の層は9.3万円です。

いずれも2026年8月以降も長期療養している人への配慮として据え置きと決まっています(出典:厚生労働省保険局)。

持病で長期通院している人は、この仕組みを知っているかどうかで安心感がかなり違います。

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医療費月100万円のケースで実際の負担を計算(わが家換算)

ここが一番聞かれる部分です。仮に医療費が月100万円かかったとして、実際の自己負担はいくらになるのか。年収別に計算してみます。

年収の目安 医療費100万円時の自己負担
約1,160万円〜 約25.9万円
約770万〜1,160万円 約17.1万円
約370万〜770万円 約8.7万円
〜約370万円 5.76万円(固定)
住民税非課税 3.54万円(固定)

仮にわが家の年収を450万円だとして試算してみます。年収約370万〜770万円の区分に入るので、医療費100万円がかかった月でも自己負担は約8.7万円で止まります。

3割負担なら本来窓口で30万円請求されるところが、高額療養費制度によって差額の約21.3万円が戻ってくる(または最初から請求されない)計算です。

わが家換算にすると、この差額は年間で見れば軽自動車の車検代くらいの金額が浮くイメージです。

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ポチ:「窓口で30万払わなくていいって、知らないと損しそうな話だワン🐾」

厚生労働省の試算例でも、年収約480万円・慢性骨髄性白血病で長期通院している方のケースが紹介されています。

総医療費約287万円(3割負担分約86万円)に対し、実際の自己負担は年間22.2万円(多数回該当込み)です。制度改正後もこの金額は変わらないとされています(出典:厚生労働省保険局資料)。

医療費100万円のうち保険給付と自己負担の内訳を示した図解
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パパ:「100万円って聞いて青ざめたけど、実際は8万円台なのか。それなら民間の医療保険、うちは本当に必要かどうか考え直したほうがいいな」

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限度額適用認定証の取り方・使い方

高額療養費制度は、何もしなくても後から差額が戻ってくる仕組みですが、それでも窓口では一旦全額(3割分)を立て替える必要があるのが原則です。ここで役立つのが「限度額適用認定証」です。これを提示すれば、窓口での支払いが最初から自己負担上限額までに抑えられます。

取り方はマイナ保険証を使っているかどうかで変わります。

🔑 限度額適用認定証・実質的な取得ステップ

①マイナ保険証を使っている場合:オンライン資格確認に対応した医療機関・薬局であれば、マイナ保険証(または資格確認書)を提示するだけで、事前の申請なしに自動で上限額までの支払いになります。

②マイナ保険証を使っていない場合:加入している健康保険(協会けんぽ・勤務先の健保組合・市区町村の国民健康保険など)に「限度額適用認定申請書」を提出します。郵送・窓口・一部はオンラインでも申請可能で、発行までに数日〜1週間程度かかります。

③発行された認定証は医療機関の窓口で提示。入院・外来どちらでも使えます。

マイナ保険証の利用登録をしていれば、この手続き自体が不要になる点は覚えておく価値があります(出典:全国健康保険協会)。ただ、対応していない一部の医療機関では従来どおり提示が必要です。

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ポチ:「マイナ保険証を登録しておくだけで、この申請の手間がまるっと消えるワン🐾」

同僚のパパから聞いた話ですが、急な入院でこの認定証を用意する前に手術が決まり、一時的に窓口で90万円近くを立て替えたことがあるそうです。あくまで人から聞いた話なので参考程度にとどめてほしいのですが、備えの大切さが伝わるエピソードだと思います。

高額療養費は後から申請すれば戻りますが、振り込まれるまで通常2〜3か月ほどかかります。子どもの学費や生活費が回っているタイミングで、この立て替え期間が地味に厳しかったそうです。

入院が決まったら、認定証(またはマイナ保険証の利用登録)を先に確認しておくのが安心です。

医療保険と公的保障をどこまで重ねて備えるかを考える前に、医療保険と共済の違いを整理した記事も参考になります。

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2026年8月の制度改正で何が変わるか(月額上限引き上げ+年間上限新設)

高額療養費制度は2026年8月から見直しが始まります。厚生労働省の専門委員会が2025年12月にまとめた方針に基づくもので、ポイントは2つです。

①月額の自己負担上限が全区分で引き上げ

上の表の通り、月額の自己負担上限が全所得区分で引き上げられます。上乗せ額は年収区分ごとに次の通りです。

  • 年収約1,160万円以上:+1.77万円
  • 約770万〜1,160万円:+1.17万円
  • 約370万〜770万円:+0.57万円
  • 約370万円未満:+0.39万円
  • 住民税非課税:+0.15万円

②「年間上限」が新たに導入

2つ目は「年間上限」が新たに導入されることです。これまでは月単位の上限しかありませんでした。

月ごとには上限に届かなくても、1年間トータルでは負担が重くなる長期療養者(抗がん剤治療などで毎月通院する人)への配慮が薄いという指摘があったためです。

📅 年間上限の新設額(2026年8月〜)

  • 年収約370万〜770万円:年間53万円
  • 約770万〜1,160万円:年間111万円
  • 約1,160万円以上:年間168万円

超えた分は保険者から償還されます(出典:厚生労働省保険局資料)。

2027年8月には所得区分をさらに細分化予定

さらに2027年8月には、現在5段階の所得区分をより細かく分ける改正が予定されています。

現行は年収約370万円の人と約770万円の人が同じ区分・同じ上限額です。区分が1段階変わるだけで上限が2倍近く跳ね上がる「大括り」な設計だという課題があるためです。

住民税非課税区分を除く各区分がおおむね3分割される方針ですが、具体的な金額は2026年7月時点ではまだ確定前です。直前に改めて確認したほうがいい部分です(出典:厚生労働省保険局)。

2026年8月と2027年8月の高額療養費制度改正のポイントを示した図解

負担が増える人ばかりではありません。年収200万円未満の人の多数回該当額は引き下げられ、住民税非課税区分には外来の年間上限も新設されるなど、増額と緩和が同時に進む改正です。

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民間保険を検討する前にまず知るべきこと

医療保険の説明で「入院すると1日1万円」「がんになったら100万円」と案内されたら、実際の自己負担と合わせて確認して加入を進めます。実際の自己負担は、この記事で見た通り年収に応じた上限までです。

僕自身、保険の見直しを始めた当初は「高額療養費制度があるなら医療保険は不要」と一気に結論づけたくなりました。ただ、個室代(差額ベッド代)や先進医療費、収入が減る間の生活費までは対象外です。

ここを民間保険でどこまで補うかは家庭の貯蓄額次第で判断が変わります。一概に「不要」とは言い切れないというのが今の僕の考えです。

貯蓄がある程度あるなら、保険料を積立や投資に回す選択肢も出てきます。iDeCoとNISAどちらを優先すべきかの記事が判断材料になります。

生命保険を「掛け捨て」で必要な分だけ備える考え方は生命保険の掛け捨てについて整理した記事、固定費全体の見直しなら自動車保険をネット型に切り替える記事も合わせてどうぞ。

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ポチ:「上限を知ってから保険を考えるのが、遠回りに見えて一番の近道なんだワン🐾」

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よくある質問

高額療養費制度の自己負担上限は年収でどう決まりますか?

70歳未満の場合、年収に応じて5段階の区分があり、上限額も段階的に変わります。年収約370万〜770万円の人なら「8.0万円+医療費の1%」(2026年8月以降は「8.6万円+1%」)が月の上限の目安です。区分は健康保険の標準報酬月額や所得で判定されます。

医療費が月100万円かかったら実際の負担はいくらになりますか?

年収約370万〜770万円の人なら、月100万円の医療費でも自己負担はおおむね8.7万円程度です。3割負担なら本来30万円請求される計算ですが、差額は戻ってくる、または最初から請求されません。

限度額適用認定証はどうやって取得しますか?

マイナ保険証の利用登録をしていれば、オンライン資格確認対応の医療機関では事前申請なしで自動的に上限額までの支払いになります。マイナ保険証を使わない場合は、加入している健康保険に「限度額適用認定申請書」を提出して発行してもらう必要があります。

2026年8月の改正で何が変わりますか?

月額の自己負担上限が全所得区分で引き上げられるのと同時に、新たに「年間上限」が導入されます。年収約370万〜770万円の人は年間53万円が上限となり、月単位では上限に届かない長期療養者の負担にも配慮した制度になります。2027年8月には所得区分がさらに細分化される予定です。

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まとめ:誰が確認すべきで、誰は今すぐ動かなくていいか

まず確認したほうがいいのは、これから入院や長期通院の可能性がある人、すでに民間の医療保険に入っている人です。自分の年収区分での上限額を把握していないと、保険の必要性を判断する土台が揃いません。マイナ保険証の利用登録がまだの人は、認定証の事前申請が省ける分、先にやっておく価値があります。

健康で当面医療費がかからない見込みの人も、今のうちに制度と手続きの流れを確認できます。2026年8月の改正で上限額が上がることを知っておくと、いざというときの家計への影響を見誤らずに済みます。

高額療養費制度は「知っているだけで安心材料になる」制度です。数字を具体的に知ったうえで民間保険をどこまで重ねるかを判断するのが、遠回りに見えて一番確実な備え方だと思います。

⚠️ 申請前に必ず確認を

上限額・年間上限の金額は2026年8月・2027年8月に段階的に変わります。実際の申請前に、加入している健康保険(協会けんぽ・健保組合・国民健康保険など)で最新の限度額をご確認ください。


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この記事を書いた人

40代・2児のパパ。クレジットカード20枚保有、ANAダイヤモンド会員。家計と制度のお得情報を実際の数字で検証しながら発信しています。運営者情報はこちら

📚 この記事は「保険の見直し」シリーズの一部です。
全体像とおすすめの読む順番はこちら → 保険見直しまとめ|子育て世帯が削れる保険はどれ?公的保障が土台

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