ガス代見直し完全ガイド|都市ガス切り替えで年間いくら浮くか
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📌 30秒でわかる結論
- 都市ガスは2017年の小売全面自由化以降、工事なし・5分程度の申し込みで会社を切り替えられる(出典:資源エネルギー庁)。それでも全国のスイッチング率は16.8%にとどまっている(同庁が公表した最終データ)。
- 浮く金額は使用量とプランで変わるため一律の数字はないが、単価が数%違うだけで年間の差になる。まずは今の請求書の使用量(m³)と単価を確認するのが先。
- プロパンガス賃貸の人は会社を自由に選べないケースが多い。その代わりできる対策は別にある。
電気代は何度も見直したのに、ガス代の請求書はしばらく見ていない。そういう家庭では、契約先と使用量を同時に確認すると見直しの入口が見つかる。
ガスは「そもそも選べるものなのか」がよくわからないまま、請求書が来たら払う扱いになりやすい。電気の自由化ほど話題にならなかったせいもあると思う。結論から言うと、都市ガスは今の設備をそのまま使って会社だけ変えられる仕組みがすでに整っている。
この記事では、資源エネルギー庁が公表している一次データを一つひとつ確認しながら、都市ガスとプロパンガスそれぞれの現実的な対策を分けて整理した。読み終える頃には、住まいがどちらのガスなのか、切り替えでどれくらい浮く可能性があるのかを、請求書を見ながら判断できるようになるはずだ。プロパンガス賃貸で会社を選べない人にも、別の対策を用意している。
ガス代、そもそも見直す余地はあるのか
まず前提を整理したい。日本のガスには「都市ガス」と「プロパンガス(LPガス)」の2種類があり、見直しの余地はまったく違う。
- 都市ガス:地中の導管でガスを送る仕組み。2017年4月に小売が全面自由化され(出典:資源エネルギー庁「ガス事業制度について」)、電力会社や新規参入の会社を含め契約する小売会社を自分で選べる
- プロパンガス(LPガス):もともと自由料金制で会社ごとに値段を決めている。賃貸なら大家さんやオーナーが契約している会社が決まっていることが多く、住んでいる側が自由に会社を変えられるとは限らない
都市ガスとプロパンガスは、同じ「ガス代」でも見直しの入り口が別だと考えたほうがいい。
資源エネルギー庁が公表している最後の集計では、都市ガスのスイッチング(切り替え)申込件数は全国で4,256,481件、スイッチング率は16.8%だった(令和3年3月31日時点、出典:資源エネルギー庁「スイッチング申込件数」)。地域別では近畿22.5%、関東17.8%に対して九州・沖縄は11.0%と差がある。
裏を返せば、8割以上の世帯は自由化後も一度も切り替えを検討していない、ということになる。
都市ガスの会社切り替え、5分の手続きで年間いくら浮くか
都市ガスの切り替えは、電気の乗り換えとほぼ同じ感覚でできる。ガスを送る導管そのものは地域の導管事業者が管理していて、切り替え後もそのまま使う。新しく契約する会社のサイトで申し込みを済ませれば、あとは会社同士の間で手続きが進み、基本的に工事は発生しない。

問題は「じゃあ実際いくら浮くのか」だ。ここは正直に書くと、全国一律の答えは存在しない。
エリアごとの導管事業者が違えば、もとの料金表も違うし、各社が出している新プランの単価もそれぞれ違う。だからこそ、手元の請求書の数字で計算してみる価値がある。
料金差の簡易試算で試してみる。仮に基本料金と使用量料金を合わせて月8,000円払っている家庭が、単価だけ3%安いプランに切り替えたとする。月々の差は240円ほどだが、年間にすると2,880円になる。
単価差が5%なら年間4,800円。冬場に給湯や床暖房でガス使用量が増える家庭なら、この差はもっと開く。
| 月のガス代 | 月の差 | 年間差 | 2年間の累計差 |
|---|---|---|---|
| 6,000円 | 180円 | 約2,160円 | 4,320円 |
| 8,000円 | 240円 | 約2,880円 | 5,760円 |
| 12,000円 | 360円 | 約4,320円 | 8,640円 |
※これは仕組みを理解するための独自の試算例。実際の割引率・料金体系は契約する会社とプランで異なるため、各社サイトで実際の使用量に当てはめて確認してほしい。
この金額を小さいと見るかは、解約条件と手続き時間も含めて判断する。
ただ、5分の申し込みで毎年続く差だと考えると、時間対効果としては悪くない。むしろ「使用量が多い家庭ほど得をする」という構造を知っておくことが大事だと思う。
季節差が大きい家庭は、単月だけでなく使用量が多い月と少ない月を分けて比べる。単価差による影響と使い方による影響を混ぜないためだ。
電気とのセット割は本当にお得か
都市ガスの切り替えを検討すると、必ず出てくるのが「電気とガスのセット割」だ。同じ会社にまとめると、片方または両方の基本料金・従量料金から割引される仕組みが多い。まとめる手間が減るのは事実だが、判断の順番を間違えると損をする。

確認したいのは2点だけだ。1つは、セット割の割引額が「電気代・ガス代を別々に一番安い会社で契約した場合の合計」を上回っているかどうか。
セット割は基本料金からの割引が目立って見えるが、従量料金の単価が単体契約より高めに設定されているプランもある。合計額で比較しないと分かりにくいのはこの部分だ。
もう1つは、セットにすることで最低利用期間や解約金の条件が発生していないかだ。
電気代の見直し自体は、ガスとは別に単独で検討する価値がある分野だ。電気代を下げる基本的な考え方は電気代を下げる記事で詳しく整理しているので、まずガス・電気それぞれの「単体で一番安い選択肢」を把握したうえで、セット割がそれを上回るかどうかを比べるのがおすすめだ。ガスはガス、電気は電気で起点を分けて考えると、セット割の損得も判断しやすくなる。
プロパンガス賃貸の人ができる現実的な対策
プロパンガスは自由料金制のため、同じ地域・同じ使用量でも会社によって単価がかなり違うことがある。ただ賃貸の場合、多くは大家さんやオーナーがすでに契約している会社が決まっていて、住んでいる側の意思だけでは変更できない。ここは都市ガスとの一番大きな違いだ。

それでもできることはある。次の3つを順番に試してみてほしい。
- ①今の請求書を確認する:使用量と料金を見て、極端に高くないかを把握する
- ②管理会社や大家さんに相談する:設備更新のタイミングで会社の見直しが行われる場合もあり、住んでいる側から一度声を上げてみる価値はある
- ③次の引っ越し先で確認する:同じ間取り・同じ家賃でも、都市ガスエリアかプロパンガスエリアかでランニングコストは変わってくる
請求書の確認と相談だけでも無駄にはならない、というのが実際のところだと思う。設備の更新期に会社が変わるケースもあるので、黙っているより一言相談したほうが可能性は残る。
引っ越しを検討している人は、火災保険の選び方もあわせて見直しておくと固定費全体をまとめて圧縮しやすい。賃貸の火災保険は不動産会社の指定プランに入る義務がない、という話は賃貸の火災保険の記事で整理している。引っ越しは固定費を丸ごと点検できる数少ないタイミングなので、ガスの契約形態と一緒にチェックしておきたい。
切り替えで注意すべき点(工事不要かどうか)
ここは誤解が多いところなので整理しておきたい。同じ「切り替え」という言葉でも、意味が全然違う。
- 工事なし:「都市ガスの会社を別の都市ガス会社に切り替える」場合は、導管はそのままなので基本的に工事は発生しない
- 工事あり:「プロパンガスから都市ガスに切り替える」「都市ガスからプロパンガスに切り替える」場合は、配管や設備そのものを変える必要があり、別途工事と費用がかかる
新居がプロパンガス物件だと知らずに契約すると、入居後に初めて料金差へ気づくことがある。内見時に供給方式と料金表を確認しておくのが先だ。
都市ガスかプロパンガスかは、物件探しの段階で確認しておいたほうがいい情報だと思う。
もう1点、切り替え前に必ず見ておきたいのが契約の縛りだ。新しく申し込むプランに最低利用期間や解約金の条件がないか、契約前の説明ページで確認してから申し込むと、あとで想定外の費用がかかることを避けられる。
見直し後にチェックすべき請求書の項目
切り替えを申し込んだあとも、最初の1〜2回は請求書をきちんと確認したい。見るべきは4つだけだ。
- 基本料金:切り替え前と同じ契約種別・アンペア(電気の場合)や口径になっているか
- 従量料金の単価:契約時に説明された単価と実際の請求が一致しているか
- 使用量(m³):切り替え前後で使用量そのものが大きく変わっていないか(季節差との区別)
- セット割・キャンペーンの適用条件:期間限定の割引が終わるタイミングと、終了後の単価
ガス代だけを見直して終わりにせず、他の固定費もまとめて点検しておくと効果が積み重なる。利用が止まったままの動画配信や音楽配信のサブスクが残っていないかはサブスク見直しの記事、車を持つコストが今の生活に合っているかは車を手放す費用の記事、税金面から手取りを増やす方法はふるさと納税のはじめかたの記事でそれぞれ整理している。ガス代の見直しにかかる時間はせいぜい5分だが、固定費全体を月1回棚卸しする習慣にしてしまうと、見直しのたびに手間を感じなくなる。
契約を動かす前の疑問を整理する
都市ガスの会社を切り替えると火力や安全性は下がりますか?
供給される都市ガスの成分や熱量、安全確保の基準は変わらない。導管を管理する事業者はエリアごとに決まっていて、契約する小売会社が変わっても、送られてくるガスそのものや保安体制は同じ仕組みの上で運用されている。
プロパンガス賃貸に住んでいる場合、自分で会社を変えられますか?
多くの賃貸物件では、プロパンガスの契約は大家さんやオーナーが結んでいるため、住んでいる側が単独で会社を変更するのは難しいことが多い。請求内容を確認したうえで管理会社に相談する、次の引っ越し時に契約形態を確認する、といった対策が現実的になる。
電気とガスのセット割は必ず契約したほうがいいですか?
必ずとは言えない。セット割の割引額が、電気・ガスをそれぞれ単体で一番安い会社で契約した場合の合計額を上回っているかを、基本料金だけでなく従量料金の単価まで含めて比較してから判断したほうがいい。
都市ガスの切り替え手続きにはどれくらい時間がかかりますか?
申し込み自体はネットで5分程度で完了することが多い。実際に新しい会社での供給が始まるまでは、次回の検針日をまたぐ形で数週間程度かかるのが一般的で、工事の日程調整は基本的に発生しない。
まとめ:見直すべき人・今はやらなくていい人
✅ 見直したほうがいい人
- 都市ガスエリアに住んでいて、自由化以降ガス会社を一度も見直していない人
- 冬場のガス使用量が多く、単価差が年間の金額に効きやすい世帯
- 電気とガスをセットにしているが、単体契約と合計額で比較したことがない人
🛑 今はやらなくていい人
- プロパンガス賃貸で、大家さん側の契約を自分で変えられない人(まずは請求内容の確認と相談から)
- 近く引っ越しの予定があり、見直しの効果が出る期間が短い人
- すでに単価を比較したうえで今の契約が最安だと確認できている人
都市ガスは自由化から年数がたっているのに、切り替えたことがある家庭はまだ2割弱にとどまっている。工事も要らず5分で申し込みが終わる仕組みがあるのに、多くの家庭が請求書を見ないまま同じ契約を続けているのは、単純にもったいない話だと思う。
プロパンガス賃貸の人は事情が違うので、まずは請求内容の確認と管理会社への相談、そして次の引っ越し先を選ぶときの基準にする、というところから始めてみてほしい。
固定費の見直しをまとめて進めたい人は、サブスク見直しの記事や電気代を下げる記事もあわせてチェックしてほしい。
全体像とおすすめの読む順番はこちら → 固定費見直しまとめ|車・ガス・サブスクで年間いくら浮く?




