育休中に働くと給付金は減る?就業日数・時間・賃金ルールを解説
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育休中に一時的な仕事を頼まれたとき、「少しなら働ける?」「給付金はいくら減る?」と気になりますよね。この記事では、育児休業中の就業が認められる考え方、育児休業給付金を判定する日数・時間、勤務先から賃金が出たときの調整、産後パパ育休との違いを整理します。育休中の2児のパパである僕が、厚生労働省とe-Gov法令検索の一次資料だけをもとに、働く前の確認項目と残す記録まで解説します。
育休中の就業は原則ではなく例外
育児・介護休業法上の育児休業は、子を養育するため、休業期間中の労務提供義務をなくす制度です。そのため、厚生労働省は育休中の就業は想定されていないと説明しています。
ただし、労使が話し合い、子を養育する必要がない期間に限って、育休を取得している事業主のもとで一時的・臨時的に働くことはできます。働く人が事業主の求めに応じて自ら合意することが必要で、会社が一方的に出勤を指示することはできません。
反対に、決まった曜日に毎週勤務するなど、恒常的・定期的な就業は育児休業をしていることになりません。ここで大切なのは、後述する10日・80時間は給付金の支給要件であり、定期勤務を育休扱いに変える基準ではないことです。

働いても育休扱いになる可能性があるケース
厚生労働省のQ&Aでは、就業が臨時・一時的で、就業後も育児休業を続けることが明らかなら、直ちに職場復帰とはせず、給付の支給要件を満たす場合は支給対象になるとしています。予定外の事情で単発の応援を相談された場合でも、自動的に認められるわけではありません。業務の内容、就業日、時間、育休を続ける予定を会社とすり合わせましょう。
給付金は支給単位期間ごとに日数と時間を判定
育児休業給付金は、雇用保険の被保険者が育児休業を取得し、受給要件を満たす場合に支給されます。就業した支給単位期間については、就業日数が10日(10日を超える場合は就業時間が80時間)以下であることが必要です。
読み方を間違えやすいのですが、10日を超えた時点ですぐ不支給になるわけではありません。就業日数が10日を超えた場合は時間で判定し、就業時間が80時間以下なら日数・時間の要件内です。就業日数が10日を超え、さらに就業時間も80時間を超えると、この要件を満たしません。
| 1支給単位期間の就業実績 | 日数・時間の要件 |
|---|---|
| 就業日数が10日以下 | 要件内 |
| 就業日数が10日を超え、就業時間が80時間以下 | 要件内 |
| 就業日数が10日を超え、就業時間も80時間を超える | 要件を満たさない |
この判定には、育休を取得している事業所以外で働いた日数・時間も含まれます。複数の勤務先がある人は、勤務先ごとではなく合計の実績を会社へ伝える必要があります。

給与の締め日ではなく育休開始日から区切る
支給単位期間とは、育児休業を開始した日から起算した1か月ごとの期間です。育休終了日を含む期間は、その終了日までになります。カレンダーの月初から月末や、会社の給与締め日で数えるものではありません。
人によって区切りが違うため、まず育休開始日と各支給単位期間を会社に確認してください。月をまたいで働く場合も、どの支給単位期間の実績になるかを先に割り振ると、数え違いを防ぎやすくなります。
会社から賃金が出ると給付額が調整される
日数・時間の要件内でも、育休を取得している勤務先から支給単位期間に賃金が支払われると、別に金額の判定があります。基準になる額を「休業開始時賃金日額×支給日数」とします。休業開始時賃金日額は原則として育休開始前6か月間の総支給額を180で割った額で、保険料などを控除する前の額を使い、賞与は除きます。支給日数は原則30日で、育休終了日を含む支給単位期間は終了日までの日数です。
雇用保険法では、通常の給付額と賃金の合計が基準額の80%以上になる場合、給付額を「基準額の80%−支払われた賃金」に調整します。賃金だけで基準額の80%以上なら、その支給単位期間の育児休業給付金は0円です。
| 育児休業の時期 | 減額されない賃金の範囲 | 減額・不支給 |
|---|---|---|
| 育休開始から180日目まで | 基準額の13%以下 | 13%を超え80%未満は調整、80%以上は0円 |
| 181日目以降 | 基準額の30%以下 | 30%を超え80%未満は調整、80%以上は0円 |
この13%と30%は、通常の給付率が育休開始から180日目までは67%、181日目以降は50%であり、賃金との合計を80%までに調整する法定式から計算した境目です。実際の給付額には上限もあるため、個別の金額は会社が届け出る休業開始時賃金日額をもとに、ハローワークへ確認してください。
また、法文の賃金調整は、育休を取得している被保険者を雇用する事業主から支給単位期間に支払われた賃金を前提にしています。一方、就業日数・時間には在職中の事業所以外の就業分も含まれます。別の勤務先や異なる契約形態から報酬を得る人は、自己判断で除外せず、申告範囲をハローワークへ確認しましょう。
産後パパ育休中は就業上限の計算が異なる
産後パパ育休に対応する出生時育児休業給付金では、支給対象期間中に就業できる上限は、28日間の休業なら最大10日(10日を超える場合は80時間)です。休業期間が28日より短いと、就業できる日数・時間も休業日数に比例して短くなります。
厚生労働省のQ&Aが示す例では、14日間の休業なら最大5日(5日を超える場合は40時間)、10日間の休業なら最大4日(4日を超える場合は約28.57時間)です。日数は計算結果の端数を切り上げ、時間は端数処理をしません。就業時間を合計したときの分単位の端数は切り捨て、分割取得では各期間ごとに端数処理をします。
賃金については、出生時育児休業の期間を対象に支払われた賃金が「休業開始時賃金日額×支給日数」の80%以上なら、出生時育児休業給付金は0円です。支払日が休業中でも、出生時育児休業の期間を対象としない賃金なら減額されないとQ&Aに明記されています。給与明細だけで判断せず、会社に賃金の対象期間を確認してください。
働く前に会社とハローワークへ確認する
制度の数字だけを見て勤務を決めると、「定期勤務と見られないか」「どの期間の賃金か」という別の論点が残ります。働く前に会社の人事・労務担当者へ、次の項目を文書で確認しましょう。
- 今回の業務が一時的・臨時的な就業として扱われるか
- 労働者本人の合意をどの方法で残すか
- 育休開始日と、今回の就業が入る支給単位期間
- 就業日数と就業時間を会社がどう集計するか
- 支払われる賃金額と、その賃金が対象にする期間
- 別の勤務先での就業実績を申告する方法
- 給付申請書へ記載する内容と社内の提出期限
会社で判断できない部分は、給付申請を扱うハローワークへ確認します。育児・介護休業法上の就業可否は都道府県労働局雇用環境・均等部(室)、育児休業給付金の支給要件と金額はハローワークが問い合わせ先です。

働く前後に日数・時間・賃金の記録を残す
育休中の2児のパパとして制度を調べて感じるのは、「数日だから大丈夫」と感覚で管理しないことが大切だという点です。給付は支給単位期間ごとに判定され、日数・時間と賃金は別々に確認されます。
就業を引き受ける前の依頼文、合意した業務内容、就業予定日と予定時間を保存し、就業後は実際の開始・終了時刻、合計時間、勤務先、賃金額、賃金の対象期間を記録しましょう。予定と実績が変わったときは、変更内容も会社へ共有します。
給与明細、勤怠記録、会社とのメールや申請控えは、同じ支給単位期間ごとにまとめると確認しやすくなります。最終的な支給可否は個別の申請内容で判断されるため、境目に近い働き方を予定する人ほど、就業前に会社とハローワークへ相談してください。
育休中に働くときのFAQ
Q1. 育休中に10日を超えて働くと給付金は必ず0円ですか?
必ず0円になるわけではありません。育児休業給付金を受ける雇用保険の被保険者は、1支給単位期間の就業日数が10日を超えた場合でも、就業時間が80時間以下なら日数・時間の要件内です。ただし、一時的・臨時的な就業であることや、賃金額の要件も別に確認されます。
Q2. 別の会社で働いた日も数えますか?
数えます。育児休業給付金の日数・時間の判定には、在職中の事業所以外で就業した分も含まれます。賃金調整の対象範囲は日数・時間と同じとは限らないため、別の勤務先で働く人は契約内容と報酬の扱いをハローワークへ確認してください。
Q3. 会社から給料が出たら給付金は必ず減りますか?
必ず減るわけではありません。通常の給付率を前提にすると、育休開始から180日目までは基準額の13%以下、181日目以降は30%以下の賃金なら、法定の調整式による減額はありません。実際の判定には休業開始時賃金日額、支給日数、賃金の対象期間が関わるため、会社とハローワークに確認してください。




