ふるさと納税の限度額の調べ方、併用時の安全マージンの作り方
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最終更新:2026年7月22日
- 限度額は「今年の所得」で決まります。去年の年収・去年の限度額を鵜呑みにして寄付するのは危険です。
- シミュレーターには源泉徴収票の「支払金額」だけでなく、住宅ローン控除・医療費控除の欄も忘れずに入力してください。
- 住宅ローン控除の初年度・医療費控除で確定申告する年は、ワンストップ特例が使えなくなる場合があります。
- 迷ったら、出た限度額の8〜9割で寄付を止めておくのが、僕の考える安全マージンです。
年末、給料日の後に通帳を見ながら「今年もふるさと納税、いくらまでやって大丈夫だっけ」と毎年同じことを考えていませんか。僕も最初の年は去年のノリでポンと寄付して、翌年の住民税決定通知書を見て「あれ、思ったより控除されてない」と冷や汗をかいたことがあります。
僕は40代・2児のパパで、クレジットカードは20枚、ANAダイヤモンド会員です。ふるさと納税自体はもう何年も続けていますが、住宅ローンを組んだ年、家族の通院で医療費がかさんだ年など、「いつもと同じ感覚」が通用しない年が何度かありました。この記事では、限度額の決まり方とシミュレーターの正しい使い方、併用時に攻めすぎないための考え方を整理します。
ふるさと納税の限度額はどう決まるか

総務省の説明によると、ふるさと納税の控除は3つの合計でできています。①所得税からの控除(寄付額-2,000円に所得税率を掛けた額)、②住民税からの控除・基本分(寄付額-2,000円の10%)、③住民税からの控除・特例分です。
限度額を決めているのは、この③の特例分です。特例分は「住民税所得割額の20%」を超えられないという上限が設けられていて、この上限にちょうど収まる寄付額が、いわゆる「限度額」になります(出典:総務省 ふるさと納税のしくみ|税金の控除について)。
つまり、住民税所得割額(≒その年の所得に応じて決まる税額)が下がれば、限度額も一緒に下がります。転職・産休育休・住宅ローン控除・医療費控除など、その年の所得や税額に影響する出来事があった年は、去年の限度額をそのまま使い回さないほうが安全です。育休がある年の限度額の下がり方は、別記事の育休の年のふるさと納税、限度額はいくら減るかで具体的な目安を計算しています。
シミュレーターの使い方、源泉徴収票のどこを見るか

ふるさと納税ポータルのシミュレーターは、基本的に「年収」と「家族構成(配偶者の有無・扶養人数)」を入れれば大まかな限度額が出ます。ただ、これだけでは住宅ローン控除や医療費控除の分が反映されません。詳細版のシミュレーターを使うなら、源泉徴収票の次の欄を見ておくと正確に入力できます。
- 支払金額……いわゆる年収(1年間の給与総額)。まずここを入れます。
- 社会保険料等の金額……給与から引かれた社会保険料の年間合計。所得控除の一つです。
- 生命保険料の控除額・地震保険料の控除額……加入していれば入力欄がある項目です。
- 住宅借入金等特別控除の額……住宅ローン控除を受けている人はここも入力対象です。
簡易版の年収だけの入力でも「だいたいの目安」はつかめます。ただ、住宅ローンや医療費控除がある年は、この目安と実際の限度額に差が出やすい年です。次の見出しから、それぞれ具体的に見ていきます。
ふるさと納税をまだ始めていない人は、先に基本の流れをふるさと納税の始め方の記事で確認しておくと、シミュレーターの使い方もイメージしやすくなります。
住宅ローン控除がある場合の注意点
住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、まず所得税から差し引かれ、引きき切れなかった残りが住民税(所得割)から差し引かれる仕組みです(出典:国税庁 No.1213)。この「住民税からの控除」が入ると、限度額の基準になる住民税所得割額そのものが下がるため、住宅ローン控除を受けている年は、限度額が思っていたより低くなることがあります。
もう一つ落とし穴があります。住宅ローン控除は1年目だけ確定申告が必須で、年末調整では対応できません(2年目以降は年末調整でOK)。ふるさと納税のワンストップ特例は「確定申告が不要な人」だけが使える制度なので、住宅ローン控除1年目にワンストップ特例の申請書を送ってしまっても、確定申告をする以上はふるさと納税の分もその確定申告に含めないと、控除が正しく反映されません。
医療費控除がある場合の注意点

医療費控除は、1年間の医療費が10万円(総所得200万円未満の人は総所得の5%)を超えた分を所得から差し引く制度です(出典:国税庁 No.1120)。所得控除なので所得税・住民税の両方が少し下がり、それに伴って限度額も多少下がる方向に働きます。家族の通院や入院が多かった年は、この分だけシミュレーターの数字を過信しないほうがいいということです。
加えて、医療費控除は年末調整では受けられず、確定申告(還付申告)が必要です。ここで住宅ローン控除のときと同じ注意点が出てきます。医療費控除で確定申告をする年は、ワンストップ特例を使わず、ふるさと納税の寄附金控除も同じ確定申告書に書くのが正解です。ワンストップ特例の申請を先に済ませていても、確定申告をした時点でその年の申告内容が優先されるため、書き漏らすと損をします。医療費控除の計算そのものについては医療費控除はいくら戻るかを計算した記事で詳しく整理しています。
育休がある年の限度額
育休を控えている、あるいは今年育休中という人は、もう一段注意が必要です。育児休業給付金は非課税のため、税金の計算上は「所得」に入りません。給与が半年しかない年は、限度額も半年分の所得に応じて下がります。半年育休を取った場合にどれくらい限度額が下がるかの試算は、育休の年のふるさと納税、限度額はいくら減るかの記事に具体的な数字を出しているので、そちらを参照してください。ここでは「育休中は今年の見込み年収で確認する」という一点だけ覚えておけば十分です。
わが家換算:限度額はどう試算するか
数字だけの説明だとイメージしづらいので、仮の数字で計算してみます。所得税率10%、住民税所得割額22万円という人を例にすると、特例分の上限は22万円×20%=44,000円です。この44,000円が「住民税特例分」として収まるように寄付額を逆算すると、寄付額(Dとする)は次の式で求められます。
この例だと、44,000円÷80%=55,000円、それに2,000円を足して限度額の目安は57,000円前後という計算になります。あくまで所得税率・住民税所得割額を仮に置いた場合の一例で、実際の所得税率や住民税所得割額は、源泉徴収票(前年分)や住民税決定通知書(今年度分)で確認してください。住宅ローン控除や医療費控除がある年は、この住民税所得割額そのものが変わるので、この式に入れる数字も年によって見直しが必要です。
失敗パターン:8月のボーナス減で限度額オーバー
知人のパパから聞いた話です。彼は年初に「今年もだいたい去年通りの年収だろう」と見込んで、1年分のふるさと納税を1月にまとめて寄付していました。ところが夏のボーナスが会社の業績で減額になり、実際の年収は見込みより下がっていた。年末に住民税決定通知書を見て、寄付額のうち数千円分が限度額を超えていたことに気づいたそうです。
本人は「返礼品はもらえたから完全な無駄ではないけど、控除されると思っていた分は普通に自腹だった」と話していました。ボーナスの見込みが不確かな年は、寄付を1月にまとめず、年末(12月上旬〜中旬)に残りの限度額を確認してから最後の寄付先を決めるほうが安全です。
ギリギリを攻めない安全マージンの取り方
限度額を1円単位でぴったり使い切りたい気持ちはわかります。ただ、僕自身は毎年、シミュレーターで出た限度額の8〜9割を寄付の目安にしています。理由は単純で、限度額を超えた分は控除にならない「ただの寄付」になり、後から取り消せないからです。
攻めすぎずに手元に残った現金は、無理に来年のふるさと納税に回さなくても構いません。老後資金や投資に回すか迷う人は、iDeCoとNISAどちらを優先すべきかの記事も参考にしてみてください。ふるさと納税は毎年繰り返す制度なので、今年攻めきれなかった分は、来年また調整すればいいだけの話です。
よくある質問
まとめ:確認すべきは「今年の見込み」と「併用の有無」
ふるさと納税の限度額は、住民税所得割額の20%という上限がベースにあり、その年の所得・控除の状況で毎年変わります。去年の年収や去年の限度額をそのまま使い回すのは、特に住宅ローン控除・医療費控除・育休などが絡む年ほどリスクがあります。
- やるべき人:会社員で年収がほぼ一定、住宅ローン控除2年目以降で年末調整だけで済む人は、シミュレーターの目安どおりで大きな失敗は少ないでしょう。
- 攻めすぎなくていい人:住宅ローン控除の初年度、医療費控除で確定申告をする年、育休など収入が変動する年は、限度額の8〜9割程度に抑え、ワンストップ特例と確定申告の関係も必ず確認してください。
大事なのは「去年いくら寄付したか」ではなく「今年の所得と、今年使う控除は何か」。シミュレーターに正しい数字を入れる手間をかけるだけで、自腹のリスクはかなり減らせます。
クレジットカード20枚保有、ANAダイヤモンド会員。住宅ローン・医療費控除・育休と、家計に関わる制度が変わるたびに一次資料を確認して整理するのが習慣になりました。「損したくない、でも複雑な制度は読みたくない」人向けに、かみくだいて発信しています。運営者情報はこちら。
※本記事は各公式機関の公表情報(2026年7月時点)をもとにした情報提供です。試算の金額は仮定に基づく目安であり、実際の限度額は年収・家族構成・各種控除により異なります。最終判断の前に公式のシミュレーターでご確認ください。
出典:総務省 ふるさと納税のしくみ|税金の控除について/国税庁 No.1213 住宅を新築等した場合(住宅借入金等特別控除)/国税庁 No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)/厚生労働省 Q&A~育児休業等給付~(2026年7月22日時点で確認)
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