育休の年のふるさと納税、限度額はいくら減る?半年の目安
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最終更新:2026年7月22日
- 育児休業給付金は非課税なので「所得」に入らず、ふるさと納税の限度額の計算からは除外されます。
- 年収500万円の人が半年育休を取ると、限度額の目安は61,000円→21,000円あたりまで下がるケースがあります(独身・共働きモデルの早見表ベース)。
- 2025年4月の給付拡充で手取りが実質10割近くになっても、限度額には反映されません。手取り感覚で寄付額を決めると自腹になります。
- 限度額が大きく減った年は、無理に去年と同じ額を寄付しなくていい、というのが結論です。
「今年は育休を取るから収入は減るけど、育休手当があるから去年とそんなに変わらない」——そう思って、去年と同じ感覚でふるさと納税の申し込みボタンを押す。これが一番よくある失敗パターンです。育休手当(育児休業給付金)は非課税なので、実は住民税・所得税の計算上は「所得ゼロ」に近い扱いになります。
僕自身はクレジットカードを20枚持ち、ANAダイヤモンド会員です。ただ今回の話は自分の育休体験ではなく、同僚パパたちの相談を受けて調べた「制度としての罠」の話です。育休を控えている、あるいは今まさに育休中で年末調整・確定申告の時期に何をすべきか迷っている人向けに、限度額がどのくらい減るのかを一次資料ベースで整理しました。
ふるさと納税の限度額は「その年の所得」で決まる

ふるさと納税の控除は、大きく3つの合計で成り立っています。総務省の説明によれば、①所得税からの控除、②住民税からの控除(基本分・寄付額の10%)、③住民税からの控除(特例分)です。
この特例分が「住民税所得割額の20%」を超えないように調整した金額が、いわゆる「限度額」です。逆に言えば、その年の課税所得(=住民税所得割額)が下がれば、限度額も比例して下がるという単純な仕組みです。
限度額の基本的な計算式や仕組みは、総務省のページを読めば数字の根拠まで追えます。細かい計算をきちんと確認したい人は、この記事の末尾に貼った出典から総務省の解説ページを見てみてください。
育休給付金は非課税、所得に入らないのがポイント
ここが今回の記事の核心です。育児休業給付金は、雇用保険法に基づく給付であり、税法上「非課税」扱いになります。厚生労働省のQ&Aでも、給付金は課税対象外であることが明記されています。
給付額そのものは、休業開始から180日目までは休業前賃金の67%、181日目以降は50%です。さらに2025年4月からは「出生後休業支援給付金」が新設され、子の出生後8週間以内に夫婦とも14日以上の育休を取ると、最大28日間は追加で13%相当が上乗せされ、給付率は80%になります。社会保険料の免除なども合わせると、手取りベースでは実質10割相当という制度です。
つまり、育休給付金がどれだけ手厚くなっても、それは「所得」としては1円もカウントされません。給与収入が半年分しかない年は、税金の計算上は「半年分の年収しかなかった年」として扱われる、というシンプルな話になります。育休中は住民税の納め方(普通徴収への切り替えなど)も普段と変わる点があるので、この機会に給与明細と一緒に確認しておくと安心です。
出産手当金(産休中に健康保険からもらえるお金)も同じ考え方です。健康保険法に基づく給付で、こちらも非課税。産休・育休を通しで取る場合は、その期間分すべてが限度額の計算対象から外れると考えておくのが安全です。
育休半年取得時、限度額はどのくらい減るか

数字で見たほうが実感しやすいので、モデル世帯が年収500万円のペースで働いていると仮定して、育休期間別に試算してみます。ふるさと納税の主要ポータルが公開している早見表(独身・共働き・社会保険料等の控除のみを想定したモデルケース)をベースにした目安です。
| 状況(年収500万円モデル) | 限度額の目安 |
|---|---|
| 育休なし(フル給与) | 61,000円 |
| 半年(6ヶ月)育休を取得 | 21,000円前後 |
| 1年フルで育休を取得 | ほぼゼロ(自己負担なしで受けられる寄付はほぼ無し) |
半年育休のケースは、1〜3月・10〜12月の6ヶ月は通常給与、4〜9月の6ヶ月は非課税の育休給付金、という単純なモデルです。給与収入が実質「年収250万円相当」まで下がったとみなすと、限度額は61,000円から21,000円あたりまで、約4万円(6割以上)減る目安になります。
ボーナスの時期や育休の開始月によって実際の減り方は変わりますし、配偶者の所得や扶養状況でも上下します。とはいえ「去年の感覚で寄付額を決めるのは危険」という結論は、どのモデルでもほぼ変わりません。夫婦のどちらが育休を取るかによって、世帯の配偶者控除の扱いが変わることもあるので、あわせて自分の勤務先の年末調整窓口や税理士にも確認しておくと安心です。
例年通り申し込んで自腹になる失敗パターン

同期入社のパパから聞いた話があります。彼は去年と同じ感覚で6万円分をふるさと納税サイトでポチッと寄付したそうです。ところが、その年は半年間の育休を取っていて、実際の限度額は2万円ちょっとしかなかった。
結果、6万円のうち控除されたのは2万円分だけ。残りの約4万円は、返礼品はもらえたものの、税金の控除にはならない「ただの寄付」になってしまいました。本人は「返礼品はもらえたから完全な無駄ではないけど、控除されると思っていた分は普通に自腹だった」と苦笑いしていました。
限度額の判定基準は「寄付した年(=1月1日〜12月31日)の所得」です。住民税からの控除は翌年度(6月以降)の税額に反映されますが、上限の基準になるのはあくまで寄付した年の所得。育休を取っている「今年」の所得で見る、という点を取り違えないようにしましょう。
育休がある年の限度額シミュレーターの使い方
実際の手順は、それほど難しくありません。次の3ステップで確認してください。
- 今年の見込み年収を計算する。 育休前・育休中・育休後(復帰後)の給与を月ごとに足し算し、育休給付金の分は含めずに合計します。
- ふるさと納税ポータルのシミュレーターに、その見込み年収を入力する。 「昨年の年収」ではなく「今年の見込み年収」を入れるのがポイントです。各ポータルのシミュレーターは無料で使えるので、まだ使ったことがない人はまずここから触ってみてください。
- 出た限度額の8〜9割程度で寄付額を決める。 年末に扶養状況やボーナスの変動があると数字がずれることもあるため、少し余裕を持たせておくと安全です。
「見込み年収」の把握に迷うようなら、給与明細と育休給付金の受給予定日数を並べて、単純に月割りで足していくだけでも、大まかな傾向はつかめます。ここは正確さより「大きく外さないこと」が大事です。
減った分を無理に埋めなくていい理由
限度額が半分以下に減ったと知ると、「せっかくの節税チャンスが減った」と損した気分になるかもしれません。ですが、これは無理に埋めなくていいと僕は思っています。
理由は単純です。限度額を超えた寄付は、控除ではなく単純な寄付になるだけ。返礼品の実質的なお得感(寄付額の3割程度が目安とされる範囲)を考えても、無理に上限を超えて寄付するより、育休中は寄付額そのものを控えめにして、家計の現金を手元に残しておくほうが合理的です。
ふるさと納税は「今年やらないと一生できない」制度ではありません。限度額が少ない年は少ない額で、翌年また所得が戻れば限度額も戻ります。育休中は「今年は控えめに」でまったく問題ありません。
よくある質問
まとめ:育休中は「今年の見込み」で確認すればいい
育休を取る年のふるさと納税は、給付金が非課税であるがゆえに限度額が下がる、という制度の仕組みを知っているかどうかで差が出ます。
- やるべき人:育休期間が半年未満で給与収入が一定残る人、配偶者の所得で家計をまかなえる人は、今年の見込み年収でシミュレーターを引き直せば、無理なく続けられます。
- やらなくていい人:1年フルで育休を取り給与がほとんど無い年、夫婦とも同時に育休を取っている年は、限度額がほぼゼロになるため、その年は寄付を見送っても問題ありません。
大事なのは「去年いくら寄付したか」ではなく「今年いくら所得があったか」。育休中は一度、見込み年収を計算し直す手間をかけるだけで、自腹のリスクをかなり減らせます。
※本記事は各公式機関の公表情報(2026年7月時点)をもとにした情報提供です。シミュレーションの金額はモデルケースの目安であり、実際の限度額は世帯構成・各種控除により異なります。最終判断の前に公式のシミュレーターでご確認ください。
出典:厚生労働省 Q&A~育児休業等給付~/厚生労働省(東京労働局)出生後休業支援給付金・育児時短就業給付金の創設について/総務省 ふるさと納税のしくみ|税金の控除について/国税庁 確定申告書等作成コーナー(育児休業基本給付金の取扱い)(2026年7月22日時点で確認)
この記事を書いた人
ポチ(お得ガイド運営者)が書いています。クレジットカードは20枚以上を使い分けていて、ANAダイヤモンド会員・JAL JGC会員。料金表や約款、官公庁の案内は、記事にする前に自分で開いて、対象者と条件まで確かめています。運営者情報はこちら。
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