ℹ️ この記事は日本年金機構・厚生労働省の公表資料をもとに2026年7月時点の制度で確認しています。制度は改正されることがあるため、実際の申請時は勤務先の担当部署または日本年金機構の公式サイトで最新情報をご確認ください。

最終更新日:2026年7月22日

📌 30秒でわかる結論

  • 育休中の社会保険料が免除されるのは「育休が月末を含む月」が基本ルール
  • 同じ月内で始まって終わる育休は、14日以上取らないと免除の対象外
  • ボーナス(賞与)の保険料まで免除したいなら、賞与月の末日を含んで1ヶ月を超える育休が必要

「育休はどうせ数日~数週間だから、いつ取っても同じでしょ」と思っていないだろうか。実はカレンダーの並び次第で、社会保険料の免除額が数万円単位で変わる。

同じ日数の育休でも、月末をまたぐか、ボーナス月にかかるかで結果がまったく違う。育休の社会保険料免除は「取る日数」だけでなく「取る位置」で得か損かが決まる制度だ。

僕は2児のパパだが、育休の話になると「社会保険料が免除される」というざっくりした説明はよく耳にする。ただ、育休を経験した同僚パパに話を聞くと「免除になったつもりが対象外だった」というケースが意外と多い。恥ずかしながら僕自身も「休んだ日数が多いほどお得なんだろう」くらいの理解だったが、実際に条件を確認すると、日数より「どの日をまたぐか」の方が重要だった。

🐕
ポチ:「同じ休み方でも、月末をまたぐかどうかで免除される保険料がゴロッと変わるワン🐾 まずはカレンダーで確認するのがコツだワン」

この記事では、育休中の社会保険料免除の基本条件から、月をまたぐ取り方の仕組み、ボーナス月の1ヶ月超ルール、そして具体的なカレンダー例まで、日本年金機構と厚生労働省の公表情報にもとづいて整理する。育休給付金そのものの金額や男性育休の期間の考え方は別記事で詳しく解説しているので、この記事では「社会保険料がいつ免除されるか」に絞って見ていく。

育休の社会保険料免除は月末を含む月が対象になる仕組みの図解

育休中の社会保険料免除の基本条件

結論から言うと、育休中の社会保険料(健康保険・厚生年金保険)が免除されるかどうかは、日数の長さではなく「どの月をまたいでいるか」で決まる。日本年金機構は、育児休業等の期間中の保険料について、開始した月から、終了日の翌日が属する月の前月までを免除の対象としている。

言い換えると、育休の終了日の翌日が月の途中(例えば5月10日)なら、免除されるのはその前月まで、つまり4月分までとなる。逆に終了日の翌日が月初(例えば5月1日)なら、その前月である4月分までが免除対象になる。この「翌日がどの月に属するか」という数え方が、実務でいちばん誤解されやすいポイントだ。

もう一つ重要なのが、令和4年(2022年)10月の制度改正で追加されたルールだ。育休の開始日と終了日が同じ月の中に収まる場合、以前は月末をまたいでいないという理由で保険料が免除されないケースがあった。

この改正により、同一月内の育休であっても、その月の中で14日以上取得していれば、その月の給与にかかる保険料が免除されるようになった。産後パパ育休(出生時育児休業)のような短期取得を後押しする狙いの改正だ。

出典: 日本年金機構「令和4年10月から育児休業等期間中における社会保険料の免除要件が改正されました」

🧔
けん:「うちは3日だけ育休を取ったけど、免除にならなかったって聞いた気がする…」
🐕
ポチ:「その3日が月末をまたいでいなくて、14日にも届いてなかったら免除されないケースだワン。だからこそ日にちの並びが大事なんだワン🐾」

月をまたぐ取り方で免除される月が変わる仕組み

ここで整理しておきたいのが「月末を1日でも含む」ことの重みだ。育休が月末(例えば1月31日)を含み、翌日(2月1日)以降も育休が続く場合、育休を開始した月から数えて、その1月分は免除の対象になる。これは育休がたとえ数日間であっても成立する。

つまり同じ「10日間の育休」でも、月末を含むように配置するか、月の真ん中に置くかで結果が変わる。月末をまたげば免除、月の中だけで14日未満なら免除なし、という差が生まれる。会社に育休の希望日を伝える前に、カレンダーで「その休みが月末にかかっているか」を確認しておく価値は大きい。

わが家換算で試算してみる。標準報酬月額30万円の会社員が1ヶ月分の給与にかかる社会保険料(本人負担分)の免除を受けると、健康保険料と厚生年金保険料を合わせて目安で約4.2万円が浮く計算になる(2026年3月分以降の協会けんぽ東京都・厚生年金保険料率で算出。加入する健康保険組合や年齢、居住地により実際の金額は変わる)。この1ヶ月分が「取れるか取れないか」の差は、育休の配置一つで決まってしまう。

育休の取り方(例) その月の給与保険料
1/22〜1/31(10日間・月末を含む) 免除される(1月分)
1/10〜1/19(10日間・月末を含まず14日未満) 免除されない

同じ10日間でも、配置を変えるだけで免除額が0円か約4.2万円かに分かれる。これが「取得タイミングで手取りが変わる」の一つ目の意味だ。

ボーナス月をまたぐ1ヶ月超取得で賞与の社会保険料も免除に

給与にかかる保険料よりも影響が大きいのが、ボーナス(賞与)にかかる社会保険料の免除だ。ボーナスの保険料は金額が大きいぶん、免除できたときの差も大きくなる。ただしその分、条件も給与より厳しい。

令和4年10月以降の育休については、ボーナスにかかる保険料が免除されるのは「その賞与が支払われた月の末日を含んで、連続して1ヶ月を超える育休を取得した場合」に限られる。1ヶ月を超えるかどうかは暦日(土日・祝日も含む)で判断される。以前は月末に1日でも育休をかぶせればボーナスの保険料が免除されていたが、この改正で「短期間だけ月末にかぶせる」抜け道がふさがれた。

出典: 厚生労働省「育児・介護休業法について」関連ページ日本年金機構「令和4年10月から育児休業等期間中における社会保険料の免除要件が改正されました」

ボーナス月の社会保険料免除には賞与月の末日を含む1ヶ月超の育休が必要という図解

わが家換算をもう一段進める。標準賞与額50万円のボーナスにかかる保険料(本人負担分)は目安で約7万円。これが免除になるかは「賞与月の末日を含んで1ヶ月を超えているか」の一点で決まる。給与の免除(約4.2万円)とボーナスの免除(約7万円)を合わせると、取り方一つで10万円以上の差がつくケースもある。

🧔
けん:「じゃあボーナス月の末日だけ狙って数日休めばいいってこと?」
🐕
ポチ:「それがまさに2022年10月の改正で塞がれたところだワン。ボーナスの免除だけは『1ヶ月を超える』連続取得が必須だから、数日だけの調整ワザは通用しないワン🐾」

カレンダー実例:同じ日数でも得する取り方・損する取り方

ここまでのルールを、実際のカレンダーに近い形で並べてみる。前提として、6月末にボーナスが支払われる会社を想定する。

育休の取り方 免除される保険料
6/1〜7/5(35日間・6月末を含み1ヶ月超) 6月の給与+6月のボーナス、いずれも免除
6/25〜7/2(8日間・6月末は含むが1ヶ月以内) 6月の給与は免除、ボーナスは免除されない

もう一組、日数の取り方だけで結果が変わる例も見ておきたい。

育休の取り方 その月の給与保険料
1/1〜1/14(同月内・14日間) 免除される
1/1〜1/13(同月内・13日間) 免除されない

1日違うだけで結果が分かれる、際(きわ)のルールだ。「14日ちょうどでいいや」と組んでしまうと、急な予定変更で1日短くなった瞬間に免除が消える。念のため15日以上で組む余裕があると安心だ。

育休の取得タイミング別に免除される保険料の有無を比較した図解

免除されても将来の年金額は減らない理由

「保険料を免除してもらったら、将来もらえる年金が減るのでは」と心配する人は多い。これは大きな誤解で、育休で保険料が免除された期間も、将来の年金額を計算するうえでは保険料を納めた期間として扱われる。

日本年金機構の説明では、育児休業等をしている間に保険料が免除された期間について、将来の年金額の計算上は従前の標準報酬月額に基づく記録が継続するとされている。さらに、3歳未満の子を養育する期間について、育休前より給料(標準報酬月額)が下がった場合でも、養育開始前の高い方の標準報酬月額で年金計算上の記録をみなす「養育期間標準報酬月額特例」という別の制度もある。育休や時短勤務が年金の不利益に直結しない設計になっている。

出典: 日本年金機構「厚生年金保険料等の免除(産前産後休業・育児休業等期間)」

申請・会社側の手続きで確認すべきこと

社会保険料の免除は、育休を取る本人が自分で申請するものではない。会社(事業主)が日本年金機構へ「育児休業等取得者申出書」を提出することで手続きが完了する仕組みだ。逆に言えば、この届け出が遅れたり漏れたりすると、免除されるはずの月の保険料が免除されない状態になりかねない。

育休を取る側として確認しておきたいのは次の3点だ。

  • 育休の開始日・終了日(終了予定日)を会社の給与担当・人事担当に早めに伝えているか
  • ボーナス月をまたぐ場合、1ヶ月を超える育休であることが給与担当にも共有されているか
  • 育休の期間を途中で変更した場合(早期復帰・延長など)、変更後の日数で免除条件を満たすか再確認したか

育休の延長や早期の職場復帰があった場合、免除の対象月がずれることもある。特にボーナス月の1ヶ月超ルールは、当初の予定より数日短くなっただけで条件を割ってしまう可能性がある。育休の期間変更があったときは、給与担当に一声かけておくと安心だ。

育休そのものの給付金額の仕組みや、産後パパ育休を含む男性育休の取得期間の考え方は、それぞれ別記事にまとめている。あわせて確認しておくと、育休全体の設計がしやすくなる。

よくある質問

Q1. 育休を1日だけ取っても社会保険料は免除されますか?

その1日が月末(月の最終日)に当たり、かつ翌日以降も育休が続く形であれば、その月の給与にかかる保険料は免除の対象になります。ただし月の途中の1日だけで前後を出勤するような取り方では、月末を含まず14日にも届かないため免除の対象外です。ボーナスの保険料まで免除したい場合は、1日だけでは1ヶ月超の条件を満たせません。

Q2. 産後パパ育休(出生時育児休業)でも同じ条件ですか?

基本的な考え方は同じです。産後パパ育休のような短期の休業でも、月末を含むか、同一月内で14日以上取得していれば、その月の給与保険料は免除されます。産後パパ育休の期間の考え方や、2025年4月に始まった給付面の拡充については、男性育休関連の別記事で詳しく解説しています。

Q3. 育休を途中で切り上げて早く復帰したら、免除は取り消されますか?

免除されるかどうかは、実際に取得した育休の開始日・終了日にもとづいて判定されます。当初の予定より早く復帰した結果、月末を含まなくなったり、同一月内で14日未満になったりすると、その月は免除の対象外になる可能性があります。予定変更があった場合は、早めに会社の給与担当へ伝えておくことが大切です。

Q4. 免除された分、将来の年金は減りますか?

減りません。育休で保険料が免除された期間も、将来の年金額の計算上は保険料を納めた期間として扱われます。むしろ3歳未満の子を養育する期間には、育休前の高い方の標準報酬月額を年金計算上みなす特例もあり、育休や時短勤務が年金の不利益につながらないよう設計されています。

まとめ:この記事で判定すべきこと

育休中の社会保険料免除は、日数の長さだけでなく「どの日をまたぐか」で結果が分かれる制度だ。給与の免除は月末を含むか同一月内で14日以上取るかがカギ、ボーナスの免除は賞与月の末日を含んで1ヶ月を超える連続取得が必須になる。

次のような人は、育休を取る前に一度カレンダーを見直す価値がある。

見直す価値がある人

  • 育休の開始・終了日をまだ会社に伝えていない人
  • ボーナス月の前後に育休を取る予定がある人
  • 短期(1〜2週間程度)の育休を検討している人

気にしなくてよい人

  • もともと1ヶ月以上の育休を予定している人(月末・ボーナス月の条件は自然に満たしやすい)
  • ボーナスの支給がない、または育休期間中にボーナス月が関係しない人

免除される保険料が数万円単位で変わるとわかっていれば、会社に伝える開始日・終了日を数日調整するだけで結果が変わることもある。育休の予定を組むタイミングで、一度カレンダーと突き合わせておきたい。


🧔

この記事を書いた人

40代・2児のパパ。クレジットカード20枚を使い分け、ANAダイヤモンド会員として旅行・生活のお得情報を実践検証しながら発信している。育休や子育て関連の制度は、自分自身が子育て中の当事者として、公的機関の公表情報を確認しながら整理している。

運営者情報はこちら

📚 この記事は「子育てのお金」シリーズの一部です。
全体像とおすすめの読む順番はこちら → 男性育休のお金まとめ|給付金・社保免除・手続きの順番を解説
ABOUT ME
お得ガイド編集部
30代・都内在住。2019年から楽天・Amazon・Yahoo!ショッピングを中心に物販の副業を続けています。クレジットカードでマイルやホテルポイントを貯めるのが趣味(ANAダイヤモンド/JAL JGC会員)。初心者がネット通販で損しない「お得な買い方」を、わかりやすく発信しています。