男性育休の給付金はいくら?月収30万円パパの手取り実額を試算
最終更新日:2026年7月22日
📌 30秒でわかる結論
・男性育休の給付金は基本「休業前賃金の67%」。開始から180日を過ぎると50%に下がります。
・2025年4月開始の「出生後休業支援給付金」で夫婦とも14日以上育休を取ると+13%(最大28日分)。合計80%が非課税+社会保険料免除で「実質手取り10割相当」と言われます。
・月収30万円のパパなら、最初の4週間はおおむね23〜24万円台の給付。ただしこの上乗せは最初の28日分だけという点は誤解されがちです。
「男性育休、給料減るんでしょ?」と聞かれることが多いのですが、実際に数字を追いかけると、思っていたより減らない期間と、意外と減る期間の両方があります。うちも2人目のときに義弟(会社員)が育休を取るというので、給付金の仕組みを一緒に調べたことがありました。
その時「67%と80%とネットに書いてあるけど、結局いくら振り込まれるの?」というのが義弟の一番の疑問でした。この記事では、月収30万円のケースを軸に、給付率の切り替えタイミング・出生後休業支援給付金の対象条件・手取り実額まで、公式情報をもとに整理します。
育児休業給付金の基本の仕組み(67%→50%への切り替えタイミング)
育児休業給付金は、雇用保険から支給される給付金です。金額は「休業開始時賃金日額×支給日数×給付率」で決まり、給付率は育休開始から180日目までは67%、181日目以降は50%に下がります(出典:厚生労働省リーフレット)。180日はおよそ6か月なので、1歳まで育休を取る前提だと後半は給付率が下がる計算になります。
賃金日額には上限があり、令和7年8月1日〜令和8年7月31日の適用分は上限16,110円、給付率67%での支給上限額は月額323,811円です(出典:厚生労働省リーフレット、上記PDF)。月収40万円台までの会社員なら、この上限に引っかかることはあまりないというのが実際のところです。
いつから給付率が半分近くまで下がるかを先に知っておくと、育休を何か月取るかの判断材料になります。取得できる期間そのものの考え方は男性育休は何日取れるかの記事で詳しく整理しているので、あわせて読んでおくと安心です。

2025年4月開始・出生後休業支援給付金13%上乗せの条件(男性だけではない)
ここが今回一番伝えたいところです。2025年4月に始まった「出生後休業支援給付金」は、男性だけの給付ではありません。夫婦それぞれに、条件を満たせば13%が上乗せされます(出典:一般社団法人 公的保険アドバイザー協会)。
条件は父親と母親で少し違います。父親は「子の出生後8週間以内に、通算14日以上の育児休業(産後パパ育休を含む)」を取得すること。母親は「出生後(産後休業を含め)16週間以内に、通算14日以上の育児休業」を取得することです。夫婦どちらも条件を満たしたときに、それぞれに13%が上乗せされます。
「妻はもう育休に入っているから関係ない」と思われがちですが、妻側も14日以上のカウントに入っていないと夫の上乗せ分が発生しない、という組み合わせのルールなんですね。ここを勘違いして「自分だけ育休取れば13%もらえる」と思っている人が意外に多い印象です。
なお、配偶者が専業主婦(夫)・自営業者・フリーランスの場合や、そもそも配偶者がいない(ひとり親)場合は、本人の育休取得だけで13%の対象になります。この例外は書類(住民票や課税証明書など)の提出が必要になるケースがあるので、勤務先の担当者に早めに確認しておくのが無難です。
取得タイミングの全体像や、いつ申請すればいいかというスケジュール感は育児休業給付金はいつもらえるかの記事にまとめています。産後パパ育休と通常の育休の違いで迷っている場合は産後パパ育休と育休の違いの記事も参考になります。
なぜ「手取り10割相当」と言われるのか(非課税+社会保険料免除)
給付率だけ見ると「67%+13%=80%」なので、10割には届いていません。それでも「手取り10割相当」と説明されるのは、給付金そのものの性質によるものです。
育児休業給付金は非課税です。所得税・住民税がかからないので、額面80%がそのまま懐に入る計算になります。加えて、育休中は健康保険料・厚生年金保険料の本人負担分が免除されます。
この社会保険料免除には条件があり、同一月内に14日以上の育休を取得していれば、その月の保険料が免除される仕組みです(2022年10月の改正で拡充されたルール)。月をまたぐ育休の場合はカウント方法が変わるので、細かい要件は育休の社会保険料免除の記事で確認しておくと取りこぼしがありません。
普段の給料から所得税・住民税・社会保険料を引かれると、月収の8割前後まで手取りが減っている人が多いはずです。育休給付金は「額面80%・非課税・保険料免除」なので、結果的に元の手取りとほぼ同じ水準になる、というのが「実質10割」の中身です。

月収30万円パパのケースで手取り実額シミュレーション
抽象的な話が続いたので、月収30万円(直近6か月の給与総支給額180万円・ボーナス除く)のパパを例に、実際の金額に翻訳してみます。賃金日額は180万円÷180日=10,000円になり、上限の16,110円には届かないので満額のペースで計算できます。
| 期間 | 給付額の目安 |
|---|---|
| 最初の4週間(出生後休業支援給付13%込み・80%) | 約23.7万円/月 |
| 5週目〜180日目まで(67%のみ) | 約20.1万円/月 |
| 181日目以降(50%) | 約15万円/月 |
わが家換算で置いてみると、月収30万円の会社員の「普段の手取り」は所得税・住民税・社会保険料を引いておおむね24万円前後になる人が多い印象です(家族構成や扶養状況で変動します)。最初の4週間の給付額23.7万円は、この普段の手取りとほぼ同水準です。ここが「実質手取り10割」と言われる根拠になります。
一方で、5週目以降は67%のみに戻るので約20.1万円。普段の手取り24万円と比べると月あたり4万円弱下がる計算です。1歳まで丸ごと育休を取ると、181日目以降はさらに50%(約15万円)まで落ちるので、長期育休を考えている家庭は後半の落差を先に把握しておいたほうがいいと思います。
要件を満たせず67%止まりになる注意ケース
出生後休業支援給付金の13%が乗らず、67%止まりになってしまうケースもあります。特に多いのは次の3パターンです。
- 夫婦のどちらかが「出生後8週間(母親は16週間)以内に通算14日以上」の育休条件を満たしていない(片方だけ育休を取っても、もう片方が条件を満たさないと上乗せが発生しない組み合わせがある)
- 育休中に会社から休業前賃金の80%以上の給与が支払われている(会社独自の育休手当が手厚い場合、給付金と合算で上限を超えると出生後休業支援給付金は対象外)
- 雇用保険の被保険者資格がない、または育休開始時点で資格を失っている
僕自身、最初にこの制度を調べたとき「夫婦それぞれの条件」という部分を読み飛ばして、片方だけ取れば13%が乗ると勘違いしていました。夫婦の育休タイミングをずらす予定がある家庭は、8週間(母親は16週間)の期限内に収まるように逆算しておく必要があります。
妊娠・出産にまつわる給付金は育休給付金以外にもいくつかあり、全体像を先に把握しておくと申請漏れを防げます。出産でもらえるお金の一覧記事も合わせて確認しておくのがおすすめです。

申請の流れと初回入金までの期間
申請は基本的に勤務先を通じてハローワークに提出します。自分でハローワークに出すことも可能ですが、会社経由のほうが必要書類のやり取りがスムーズなことが多いです。
📝 申請〜初回入金までの3ステップ
STEP1. 会社経由(または自分で)ハローワークへ申請書類を提出する
STEP2. 初回2か月分の申請期限は「育休開始日から4か月を経過する日が属する月の末日まで」
STEP3. 初回入金は出産から4〜5か月程度が目安。以降は2か月ごとの申請→支給決定後1〜2週間で振込
「思ったより最初の入金が遅い」という声はよく聞きます。育休に入る前に、初回入金までの数か月分を家計のどこで乗り切るか(貯蓄・出産費用の給付金との時期のずれなど)を先に決めておくと、給料日に通帳を見てヒヤッとする場面を減らせます。
よくある質問
男性の育休給付金はいくらもらえますか?
育休開始から180日目までは休業前賃金の67%が基本です。夫婦とも出生後休業支援給付金の条件を満たせば、最初の28日分に限り13%が上乗せされ、合計80%になります。非課税・社会保険料免除もあるため、実質的な手取りは休業前とほぼ同水準になるケースが多いです。
出生後休業支援給付金は女性(母親)も対象になりますか?
はい、対象です。父親は出生後8週間以内、母親は出生後(産後休業を含め)16週間以内に、それぞれ通算14日以上の育休を取得していれば、夫婦それぞれに13%が上乗せされます。「男性だけの給付」という理解は誤りです(出典:一般社団法人 公的保険アドバイザー協会)。
育休給付金はいつ最初に振り込まれますか?
初回の給付は、申請から数週間ではなく出産から4〜5か月程度かかるのが一般的な目安です。育休に入る前に、それまでの生活費をどう乗り切るか準備しておくと安心です。
社会保険料はいつから免除されますか?
同一月内に14日以上の育休を取得していれば、その月の健康保険料・厚生年金保険料(本人負担分)が免除されます。月をまたぐ育休の場合はカウントの仕方が変わるため、事前に人事担当者へ確認しておくと確実です。
まとめ:誰がやるべきで、誰は気にしなくていいか
夫婦のどちらか一方でも産後8週間(母親は16週間)以内に育休を取る予定があるなら、もう一方も14日以上のタイミングを合わせるだけで13%の上乗せが発生します。世帯の手取りに直結する話なので、時期をずらす予定がある家庭は日程調整だけでもやっておく価値があります。
一方、そもそも雇用保険に入っていない自営業・フリーランスの人や、会社独自の育休手当が手厚くて休業前賃金の80%以上が保障されている人は、出生後休業支援給付金の対象外になります。この場合は気にしすぎず、勤務先の制度を優先して確認すればいいと思います。
給付率は67%から始まり、条件次第で最初の4週間だけ80%まで上がり、半年を過ぎると50%まで下がる。この上がり下がりのタイミングを知っておくだけで、育休を何か月取るかの判断がしやすくなります。
⚠️ 申請前に必ず確認を
給付額・条件は改正が入りやすい分野です。実際の申請前に、勤務先の担当部署またはハローワークで最新の条件・金額をご確認ください。
この記事を書いた人
40代・2児のパパ。クレジットカード20枚保有、ANAダイヤモンド会員。家計と制度のお得情報を実際の数字で検証しながら発信しています。運営者情報はこちら。
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