【2026年最新】育休中の住民税はいつ来る?払い方と翌年の減額
最終更新:2026年7月22日
- なぜ来る?:住民税は前年の所得にかかる税金なので、育休で無収入でも前年分の請求は普通に届きます。
- いくら来る?:目安は「前年の課税所得の10%+約5,000円」。普通徴収なら年4回に分けて払います。
- いつ楽になる?:育休を挟んだ年の所得が下がれば、翌年度(6月切り替わり)の住民税は下がります。今の請求は「去年の自分」への清算だと考えておけば動じません。
育休中のある日、ポストに見覚えのない封筒。開けてみたら「住民税の納付書」で、しかも金額が数万円単位。
「給料もらってないのに、なぜ今……?」と手が止まった、という話をよく聞きます。
結論を先に言うと、これは制度的に正常な動きです。住民税は去年働いていた分の所得にかかる税金であり、育休で今の収入がゼロになっても、去年分の納税義務自体は消えません。
僕自身は2児の父として、育休を取った同僚パパたちの相談にたびたび付き合ってきました。
クレジットカードを20枚近く持ち、ANAダイヤモンドまで積み上げる過程で、家計の「入りと出」のズレには敏感になった自覚があります。この記事では、なぜ請求が来るのか、切り替えのタイミング、金額の目安、相談先、翌年度の下がり方まで順番に整理します。
なぜ育休中でも住民税の請求が来るのか(前年所得課税の仕組み)
住民税(個人住民税)は、その年の1月1日時点で住んでいる自治体が、前年1年間(1〜12月)の所得をもとに計算して課税する仕組みです。今の収入ではなく「去年いくら稼いだか」で今年の税額が決まります。
たとえば去年フルタイムで働き、今年の春から育休に入った場合、今年届く請求は「去年働いていた分」に対するもの。育休中の給料の有無とは、そもそも関係がありません。
一方で、育休中に受け取る育児休業給付金は非課税所得です。国税庁のタックスアンサーでも、雇用保険法に基づく育児休業給付は所得税が課されない給付として明記されています。
つまり育休給付金そのものが翌年の住民税を増やすことはなく、あくまで「前年(育休前)の給与」が課税のベースになる、という点を押さえておくと混乱しにくくなります。

育児休業給付金の受給条件や支給率については、育休給付金がいつ・いくら入るかを整理した記事で詳しく解説しています。あわせて確認すると、「非課税の給付金」と「前年課税の住民税」が別モノだという整理がよりクリアになるはずです。
出典:国税庁タックスアンサーNo.1400 給与所得/総務省 個人住民税のしくみ
特別徴収から普通徴収への切り替えタイミング
会社員の住民税は通常、毎月の給料から自動で天引きされます。これを特別徴収と呼びます。育休中は給料が発生しないため天引きができず、会社は主に次の3つのやり方から選ぶことになります。
- ①一括徴収:育休に入る直前の給与やボーナスから、残りの月割分をまとめて天引きしてしまう。
- ②普通徴収に切り替え:会社が「特別徴収から普通徴収への切替届出書」を市区町村に提出し、以後は本人あてに納付書が郵送される。
- ③会社が立て替え:会社が一時的に立て替えて納付し、復職後に本人へ請求する(実施している会社は少数派)。
地方税法上、1月1日〜4月30日の間に休業(給与支払いがなくなる状態)に入る場合は、原則として本人の申出の有無を問わず、その年の5月分までの住民税を最後の給与などから一括徴収することが定められています。5月中に休業入りする場合は、残りが1カ月分だけなので通常の特別徴収で処理されるのが一般的です。
6月〜12月に育休へ入るケースでは、会社が普通徴収への切替届出書を出し、市区町村側の処理を経て、自宅に納付書が郵送されるのが一般的な流れです。
届くタイミングは会社の事務処理や自治体の反映時期で前後するため、「急に来た」と感じやすいポイントです。事前に総務・人事担当へ一言確認しておくだけで、心構えが変わります。
なお、育休中に免除される社会保険料(健康保険・厚生年金)とは扱いが異なり、住民税に育休中の免除制度はありません。
社会保険料の免除条件については育休中の社会保険料免除の記事で解説しています。住民税はあくまで「支払い方が変わるだけ」で、負担そのものがなくなるわけではない点を混同しないようにしてください。
育休中の住民税、実際いくら来るのか目安(わが家換算)
金額の仕組みは、次の2つの合計です。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 所得割 | 前年の課税所得(給与所得控除・社会保険料控除・基礎控除などを差し引いた後の金額)の10% |
| 均等割 | 所得に関係なく一律で約5,000円(市町村分3,000円+道府県分1,000円+森林環境税1,000円) |

これをもとに、わが家換算で試算します。前年の年収500万円・課税所得(各種控除後)が約210万円だった会社員のケースだと、所得割は約21万円、均等割5,000円を合わせて年間の住民税は約21万5,000円ほどになります。
普通徴収は年4回払いなので、1回あたりの請求は約5万4,000円です。育休中は給料がゼロなので、この5万円台がそのまま「持ち出し」になります。
課税所得は世帯構成・控除で人それぞれ変わるため、あくまで目安として捉えてください。
育休中に住民税の納付書を見て「え、こんなに?」と戸惑う人は少なくないようです。前年はフルタイム勤務+残業込みの年収だったのに、育休中の口座に入るのは育休給付金だけ、というギャップが原因です。
「去年の年収」と「今の生活水準」のズレに頭が追いつかない、というのはよくある感覚だと思います。この仕組みを先に知っておくだけで、受け止め方はかなり違ってきます。
支払いがきついときの分割・延納の相談先
普通徴収の住民税は、通常年4回(多くの自治体で6月・8月・10月・翌年1月)の納期に分けて支払います。この4回でもきつい場合は、さらに分割できる可能性があります。
- 分割納付:4回よりさらに細かく分けて支払う相談。世帯の状況によっては対応してもらえるケースがあります。
- 徴収猶予:申請により、原則1年以内を目安に納税自体を先送りしてもらう制度。猶予期間中は督促や差押えが止まり、延滞金も軽減されます。
- 減免:収入の急減など一定の事情がある場合に、税額そのものを減らしてもらえる制度(自治体ごとに要件が異なります)。
いずれも住んでいる市区町村の税務課(納税課)への相談が入口です。大事なのは、払えないと分かった時点で早めに連絡すること。放置すると延滞金や督促・差押えの対象になりますが、事前相談なら選べる選択肢が増えます。
出産・育児で受け取れる給付金・手当は住民税とは別枠で複数あります。出産でもらえるお金を一覧で整理した記事もあわせて確認し、家計全体の「入ってくるお金」と「出ていくお金」を同じ時期に把握しておくと、納付書が来たときの動揺がだいぶ小さくなります。
出典:世田谷区 納税のご相談と滞納処分/中野区 納税困難な方の分割納付・猶予等のご相談
翌年度は所得が下がるので住民税も下がる
ここまで読むと「毎年この金額を払うのか」と不安になるかもしれませんが、そこは安心してください。翌年度(6月切り替わり)の住民税は、育休期間を含む1年間の所得をもとに計算されるため、育休を長く取った年ほど、その次の住民税は下がります。
育児休業給付金自体が非課税なので、給付金は翌年度の税額に一切反映されません。反映されるのは「実際に会社から受け取った給与部分」だけ。1年間フルに育休を取った場合、翌年度の所得割は小さくなり、税額が均等割の約5,000円に近づくケースも出てきます。

ただし注意点もあります。育休を挟んで所得が下がった年は、ふるさと納税の控除上限額も同時に下がります。
前年の勢いで寄付額を決めてしまうと、控除上限を超えた分が単純な「持ち出し」になりかねません。
育休を予定している年・育休から復帰した年のふるさと納税の考え方は育休中のふるさと納税の注意点をまとめた記事で整理しています。住民税の負担が変わるタイミングとセットで確認しておくと安心です。
無収入期間の家計への影響と備え方
育休中の家計でありがちなのは、育児休業給付金と免除された社会保険料の分だけを見て「意外と大丈夫そう」と思っていたら、住民税の請求で計算が狂うパターンです。
給付金は非課税で入ってくるお金、住民税は前年の稼ぎに対する出ていくお金。発生源も時期もズレているため、同じ月の家計として並べて見ておく必要があります。
- 入ってくるお金:育児休業給付金(非課税)
- 出ていくお金:住民税(前年の所得がベース)
備え方はシンプルです。
- 育休入り前に「今年の住民税の年額」を確認する
- 4分割した金額を、生活費とは別の口座に先取りで移しておく
- 大きめの出費は事前にカレンダーへメモしておく
わが家でも、住民税のような「忘れた頃に来る出費」は事前にカレンダーへメモしておく方式に落ち着きました。
もう一つは、会社の担当部署に処理方法を事前に確認しておくことです。一括徴収か普通徴収への切り替えかで、手元に残るお金のタイミングが変わります。
育休前の面談で一言聞いておくだけで、後から「知らなかった」というストレスを減らせます。
よくある質問
Q. 育休中の住民税の納付書はいつ届く?
A. 育休に入るタイミングと会社の処理方法で変わります。6月〜12月に育休へ入り普通徴収へ切り替わった場合は、切替処理後に市区町村から自宅へ届きます。1月〜4月に育休へ入る場合は、原則として最後の給与などから一括徴収されるため、届かないケースもあります。
Q. 育休中も会社の給与から住民税を天引きしてもらえる?
A. 給与が発生しないため、通常の特別徴収(給与天引き)は継続できません。会社によっては育休直前の給与・ボーナスからの一括徴収や一時的な立て替えで対応する場合もあり、担当部署への確認が確実です。
Q. 育休中に住民税を払えないとどうなる?
A. 何も相談せず放置すると延滞金が発生し、督促・差押えの対象になり得ます。支払いが難しいと分かった時点で、早めに市区町村の税務課へ相談することで、分割納付や徴収猶予などの制度を利用できる可能性があります。
Q. 翌年度の住民税はいつから、どれくらい安くなる?
A. 育休を挟んだ年の所得をもとに計算される翌年度(6月切り替わり)から反映されます。育児休業給付金は非課税なので税額の計算には含まれず、育休期間が長いほど翌年度の所得割は小さくなります。
まとめ|育休中の住民税、誰が身構えるべきで誰は気にしなくていいか
育休中に住民税の請求が来るのは制度上異常なことではなく、「前年働いていた分の清算」が今来ているだけです。金額は前年の課税所得の10%+約5,000円が目安で、困ったら市区町村へ早めに相談すれば分割・猶予の道があります。育休を挟んだ年の所得が下がれば、翌年度の住民税もきちんと下がります。
- 身構えたほうがいい人:前年の年収が高く、1〜4月ではなく6〜12月に育休へ入る人。普通徴収の納付書が自宅に届く可能性が高く、事前に金額の目安と支払い方法を把握しておく価値があります。
- 過度に心配しなくていい人:前年の年収がもともと低め、または短期間の育休で会社が一括徴収してくれる人。負担の絶対額が小さいか、給与からまとめて処理されるため、追加の手続きに追われることはほとんどありません。
いずれにしても、住民税は「今の生活が苦しいから減る」ものではなく、あくまで前年基準です。この仕組みを知っているだけで、納付書が来た瞬間のショックはかなり和らぐはずです。
40代・2児の父。クレジットカード20枚以上保有・ANAダイヤモンド会員。家計の「制度と実際のお金の動き」のズレを分解して整理するのが得意で、育休を取った同僚パパたちの相談にもよく付き合っています。詳しいプロフィールはこちら
全体像とおすすめの読む順番はこちら → 男性育休のお金まとめ|給付金・社保免除・手続きの順番を解説