育児休業給付金はいつ振り込まれる?初回2〜3ヶ月をどう乗り切るか
最終更新日:2026年7月22日
📌 30秒でわかる結論
- 育児休業給付金は「支給単位期間1ヶ月ごと」だが、初回申請は育休開始から2ヶ月経過後にしかできないため、入金は早くても育休開始から2〜3ヶ月後になる
- 2回目以降は原則2ヶ月に1回、2ヶ月分をまとめてのペースで続く
- この「初回までの無収入期間」を乗り切るには、育休前に生活費の2〜3ヶ月分(できれば3〜6ヶ月分)の生活防衛資金を確保しておくのが現実的な対策になる
「育休に入ったのに、給付金がまだ1円も入ってこない」と焦っている人は少なくない。申請できるタイミング自体が育休開始から2ヶ月後で、そこから会社の事務処理とハローワークの審査を経て入金されるため、初回は2〜3ヶ月、場合によっては4ヶ月近くかかることもある。
僕は、育休を控える後輩や同僚パパの相談を受ける機会が何度かあった。共通していたのが「毎月給付があるものだと思っていた」という誤解だ。実際は2ヶ月に1回まとめて支給する設計で、初回にはさらに申請可能になるまでの待ち時間が乗る。
この記事では、育児休業給付金の申請から入金までのスケジュール、初回だけ時間がかかる理由、2回目以降のペース、無収入期間の家計の組み方まで、厚生労働省の公表情報にもとづいて整理する。社会保険料免除や住民税、出産関連でもらえるお金の全体像は別記事にまとめているので、この記事は「いつ入るか」に絞って見ていく。

育児休業給付金の申請から入金までのスケジュール
結論から言うと、育児休業給付金は「支給単位期間」と呼ばれる1ヶ月ごとの期間を単位に計算されるが、実際の申請と支給は原則2ヶ月分をまとめて行う。育休開始日を起点に、大まかな流れを並べると次のようになる。
| 育休開始からの経過 | 家計の状態 |
|---|---|
| 育休開始(0ヶ月目) | 給与がストップ。会社が受給資格確認の準備を始める |
| 1ヶ月目 | まだ申請すらできない期間。給付なし |
| 2ヶ月目 | ここから会社経由で初回の支給申請が可能になる |
| 2〜3ヶ月目 | 審査を経て初回の給付金が入金(1・2ヶ月目分をまとめて) |
| 4〜5ヶ月目 | 2回目の給付金が入金(3・4ヶ月目分)。以降2ヶ月おきに継続 |
この「2〜3ヶ月目」という幅は、会社の事務処理の速さやハローワークの混雑状況によって前後する。早ければ2ヶ月ちょうど、書類提出が遅れると3ヶ月を超えることも珍しくない。
なぜ初回は2〜3ヶ月かかるのか(申請タイミングの構造)
初回だけ特別に時間がかかるのは、制度上「支給申請ができる時期」そのものが後ろにずれているからだ。厚生労働省のQ&Aでは、育児休業給付金の支給申請書の提出期限は「育児休業を開始した日から4か月を経過する日の属する月の末日まで」と定められている。逆算すると、申請できる期間そのものが育休開始から2ヶ月ほど経ってからようやく始まる仕組みになっている。
つまり、育休を始めた翌日に「今すぐ申請したい」と思っても、そもそも申請の窓口自体が開いていない。会社がこの申請可能なタイミングを待って書類をまとめ、ハローワークに提出し、審査が通ってから初めて口座に入金される。「2ヶ月後に申請できる」であって「2ヶ月後に振り込まれる」ではないという順番の違いを理解しておくと、見通しが立てやすくなる。
同僚パパに聞いた話では、育休開始日を月の半ばに設定したところ、支給単位期間の数え方が想定とずれて、入金が思っていたより遅く感じたという。事前に会社の給与・労務担当へ「初回はいつ頃申請してもらえるか」を確認しておくと不安が減る。
2回目以降は2ヶ月ごとのペースになる
初回の谷を越えれば、あとは比較的予測しやすいペースに変わる。育児休業給付金は原則として2ヶ月分の支給単位期間をまとめて1回の支給申請とするため、2回目以降は約2ヶ月おきに、2ヶ月分の給付金がまとまって入金される流れが続く。
給付率についても確認しておきたい。育児休業給付金は休業開始時の賃金日額をもとに、育休開始から180日目までは67%、181日目以降は50%の支給率で計算される。さらに2025年4月に創設された出生後休業支援給付金を利用すると、子の出生後8週間以内に父母双方が一定の育休を取得するなどの条件を満たした場合、最大28日間は67%に13%が上乗せされ、80%相当の給付を受けられる。
| 育休開始からの期間 | 給付率の目安 |
|---|---|
| 出生後休業支援給付金の対象条件を満たした最大28日 | 67%+13%=80%相当 |
| 育休開始〜180日目 | 67% |
| 181日目以降 | 50% |
なお賃金日額には上限があり、2025年8月1日〜2026年7月31日の上限額は16,110円、30日あたりの支給上限額は67%で323,811円、50%で241,650円だ。高収入の人ほど、実際の給料に対する給付率は数字より低くなる。
出典: ハローワークインターネットサービス「育児休業給付・出生時育児休業給付金のご案内」、厚生労働省「出生後休業支援給付金」リーフレット(令和7年8月1日改訂版)
出生後休業支援給付金は、男性が育休を取る場合の給付面での後押しとして注目度が高い制度だ。対象条件や男性側の給付額の計算については男性の育児休業給付金はいくらもらえるかの記事で詳しく整理している。ただし80%相当になるのは給付率の話であって、申請から入金までのスケジュール自体が早くなるわけではない、という点は誤解しやすいので注意したい。

無収入期間、家計はどう乗り切るか
ここからが本題だ。育休開始〜初回入金までの2〜3ヶ月間は、給与も給付金も入らない「無収入の谷」になる。わが家換算で試算してみると、この谷の深さがイメージしやすくなる。
仮に世帯の生活費が月28万円、育休を取る側の休業開始時の給料が月30万円の家庭で考えてみる。育休開始から初回入金まで3ヶ月かかったとすると、その間に出ていく生活費は28万円×3ヶ月=84万円。一方、3ヶ月目にようやく届く初回の給付金は67%×30万円×2ヶ月分でおよそ40万円ほどだ。差額の約44万円は、育休開始前の貯蓄から立て替える必要があるという計算になる。
正直、この記事を書く前は「育休給付金は毎月コンスタントに入るもの」だと思い込んでいた。実際は原則2ヶ月ごとで、初回はさらに待ち時間が乗ると知り、準備はもっと早く始めるべきだと気づいた。
実際の谷の深さは家庭ごとに違う。女性の場合は出産前後に健康保険から出産手当金(標準報酬日額のおおむね3分の2、産前42日・産後56日が対象)が入るため、谷が育休給付金だけの話では終わらないケースも多い。出産関連の給付金の全体像は出産でもらえるお金まとめの記事で整理している。
生活防衛資金はいくら用意しておくべきか
結論として、育休前の生活防衛資金の目安は「生活費の3〜6ヶ月分」だ。無収入期間だけなら2〜3ヶ月分で足りそうに見えるが、会社の事務処理の遅れや育休期間の延長といった不確定要素が重なりやすい。
目安として、生活費が月28万円の家庭なら3ヶ月分で84万円、6ヶ月分で168万円が防衛資金のレンジになる。すでに6ヶ月分以上の貯蓄があるなら気にしなくていい。逆に1〜2ヶ月分に届いていない家庭は、育休のタイミングが決まった時点で積み立てを優先したい。
支出の谷を作らないための事前準備リスト
無収入期間の谷そのものは避けられないが、谷の深さを浅くする準備は育休前にできる。次の5つを、育休が決まった時点でチェックしておきたい。
- 生活防衛資金の残高を確認する:生活費の何ヶ月分が確保できているか、今の貯蓄額から逆算する。
- 固定費の一時的な見直し:使っていないサブスクや、休業中は不要なサービスを育休開始前に整理しておく。
- 会社に初回申請の見込み時期を確認する:給与・労務担当に「初回はいつ頃申請してもらえそうか」を早めに聞いておく。
- 社会保険料・住民税の扱いを把握する:育休中は社会保険料が免除される一方、住民税は前年の所得にもとづいて別途課税される。免除・課税の仕組みを事前に知っておくと、支出の見込みがずれにくい。
- 他の給付金の受け取りタイミングを並べておく:出産育児一時金や児童手当など、育休給付金以外の入金予定も一覧にしておくと、谷が実際どのくらい深いか把握しやすい。
4つ目の社会保険料と住民税は、免除・課税のタイミングを知っておくと支出の見込みが正確になる。詳細は育休の社会保険料免除、取るタイミングで手取りが変わると育休中の住民税はどうなるかの記事にまとめている。

ヒヤリとした話としてよく聞くのが、「初回入金の額に安心して生活費のペースを元に戻し、次の入金までの2ヶ月間でまた資金が細くなった」というケースだ。初回は2ヶ月分がまとまって届くため多く見えるが、次の入金までの生活費として計算しておく必要がある。
よくある質問
Q1. 育児休業給付金は最短でいつ振り込まれますか?
制度上、初回の支給申請は育児休業を開始した日から2ヶ月ほど経過しないと行えません。そこから会社の書類提出とハローワークの審査を経るため、最短でも育休開始から2ヶ月半〜3ヶ月程度、会社の対応によっては3ヶ月を超えることもあります。
Q2. なぜ育休給付金は2ヶ月分まとめての支給になるのですか?
育児休業給付金は「支給単位期間」という1ヶ月ごとの期間を単位に計算されますが、実務上は2ヶ月分の支給単位期間をまとめて1回の申請・支給とする運用が原則になっています。そのため2回目以降も、約2ヶ月おきに2ヶ月分がまとまって入金される形になります。
Q3. 会社が申請を忘れていた場合、給付金は受け取れなくなりますか?
初回の支給申請書には「育児休業を開始した日から4か月を経過する日の属する月の末日まで」という提出期限があります。この期限を過ぎると原則として申請が受け付けられなくなるため、育休開始後は会社の労務担当に申請状況を早めに確認しておくことをおすすめします。
Q4. 出生後休業支援給付金を使えば、無収入期間そのものが短くなりますか?
いいえ、短くなりません。出生後休業支援給付金は最大28日間、給付率を67%から80%相当に上乗せする制度であり、申請から入金までのスケジュール自体は通常の育児休業給付金と同じです。給付率の上乗せと、入金タイミングの早さは別の話として理解しておく必要があります。
Q5. 生活防衛資金がまったくない状態で育休に入ってしまったら、どうすればいいですか?
まずは固定費の一時的な見直しと、会社への初回申請時期の確認を急ぐのが現実的です。出産手当金や出産育児一時金など育休給付金以外の入金予定も一覧にして谷の深さを把握し、それでも厳しい場合は配偶者の収入や身内からの援助の優先順位を家族で事前に話し合っておくと安心です。
まとめ:この記事で判定すべきこと
育児休業給付金は、支給単位期間こそ1ヶ月ごとだが、実際の運用は2ヶ月分をまとめての申請・支給が原則で、初回はさらに待ち時間が重なるため、入金は育休開始から2〜3ヶ月後になるのが実情だ。この無収入期間をどう乗り切るかは、育休前の準備で大きく変わる。
次のような人は、育休が決まった時点で生活防衛資金と支出の見直しに着手する価値がある。
準備を急ぐ価値がある人
- これから育休を取る予定があり、生活防衛資金が生活費2ヶ月分未満の人
- 世帯の主な収入を育休を取る側が担っている家庭
- 会社の初回申請のスケジュールをまだ確認していない人
気にしなくてよい人
- 生活防衛資金として生活費6ヶ月分以上をすでに確保している家庭
- 配偶者の収入だけで当面の生活費を問題なくカバーできる家庭
入金のタイミングそのものは制度上どうにもならないが、谷の深さは事前の準備で確実に浅くできる。育休に入る前に、生活防衛資金の残高と会社の申請スケジュールの2点だけでも確認しておきたい。
全体像とおすすめの読む順番はこちら → 男性育休のお金まとめ|給付金・社保免除・手続きの順番を解説
この記事を書いた人
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