産後パパ育休と育休はどう違う?分割2回取得のベストパターン
最終更新日:2026年7月22日
📌 30秒でわかる結論
- 産後パパ育休(出生時育児休業)は、出生後8週間以内に通算4週間(28日)まで取れる、育休とは別枠の制度
- どちらも2回まで分割OK。ただし産後パパ育休は2回分をまとめて申請する必要がある点が違う
- 夫婦それぞれ14日以上の育休を出生後8週間以内に取ると、給付率が80%(実質、手取りとほぼ同額)まで上がる
「産後パパ育休」と「育休」、名前が似ていて結局どっちがどっちだったか分からなくなる、という人は多いはずだ。僕も最初に人事の説明資料を読んだとき、正直「同じ制度の別名でしょ」くらいに思っていた。調べてみると別々の制度で、組み合わせ方によって使い勝手がかなり変わる。
結論を先に言うと、産後パパ育休は「出生直後の8週間だけ使える短期集中の休み方」、育休は「子が1歳になるまで使える長期の休み方」だ。組み合わせ次第で、2週間だけのミニマム型から半年がっちり休む型まで分かれる。
この記事では、2児のパパとして自分でも制度を確認し直しながら、産後パパ育休と育休の違い、分割2回のルール、会社への切り出し方までを整理する。ここでは「どのパターンを選ぶべきか」の判断材料に絞って書いていく。

産後パパ育休(出生時育休)と通常育休は何が違うのか
まず用語を整理しておく。「産後パパ育休」は通称で、法律・行政文書上の正式名称は「出生時育児休業」だ。同じ制度を指している。一方の「育休」は「育児休業」の略で、子が原則1歳になるまで使える、産後パパ育休とは別枠の制度になる。
いちばん大きな違いは「使える期間」だ。産後パパ育休は子の出生後8週間以内という短い枠にしか使えない。育休は原則1歳まで(事情があれば最長2歳まで)使える長期の制度だ。両方を組み合わせると、出生直後は産後パパ育休、その後は育休に切り替えて連続して休むことができる。
もう一つの違いは「休業中に働けるかどうか」だ。育休は原則就業できないのに対し、産後パパ育休は労使協定を結んでいる会社なら、本人の同意のうえで一定範囲内なら就業も認められている。仕事を完全に離れられない事情がある人には、この点が分かれ目になりやすい。
出典: 厚生労働省「産後パパ育休」(育児休業制度特設サイト)
対象期間・取得可能日数・分割回数のルール
制度の違いを、対象期間・日数・分割回数・申出期限の4項目で並べてみる。まずは産後パパ育休。
| 項目 | 産後パパ育休(出生時育休) |
|---|---|
| 対象期間 | 子の出生後8週間以内 |
| 取得可能日数 | 通算4週間(28日)まで |
| 分割回数 | 2回まで(2回分をまとめて申出) |
| 申出期限 | 原則2週間前まで(労使協定次第で1ヶ月前) |
| 休業中の就業 | 労使協定+本人同意があれば一定条件で可能 |
続いて通常の育児休業。こちらは期間の考え方そのものが違う。
| 項目 | 育児休業(通常育休) |
|---|---|
| 対象期間 | 原則、子が1歳に達するまで(事情があれば最長2歳まで延長可) |
| 取得可能日数 | 明確な日数上限なし(1歳までの連続した期間が基本) |
| 分割回数 | 原則2回まで(2022年10月〜、男女とも) |
| 申出期限 | 原則1ヶ月前まで(1歳以降の育休は2週間前まで) |
| 休業中の就業 | 原則不可 |
出典: 厚生労働省「産後パパ育休」、厚生労働省「育児休業」(いずれも育児休業制度特設サイト)
ここで意外と誤解されているのが「分割の申請タイミング」だ。通常育休は1回目を取得したあと、時間を置いて2回目を申請することもできる。ところが産後パパ育休は、分割する場合は2回分をまとめて申請しないと会社側が申出を拒めることになっている。「1回目だけ先に決めて2回目は後で考える」進め方は、産後パパ育休では通用しない可能性がある。
パパの給料でわが家換算するとこうなる
数字で見てみないと実感が湧かない。仮に月給35万円のパパを想定して試算する。育児休業給付金の基本は「休業開始時賃金日額×日数×67%」(180日目まで)で、賃金日額は直近6ヶ月の給与総額÷180。月給35万円なら6ヶ月総額210万円、賃金日額は約1万1,667円になる。
ここに2025年4月から始まった「出生後休業支援給付金」が絡む。出生後8週間以内に夫婦それぞれ14日以上の育休を取ると、13%が上乗せされ給付率は合計80%になる。育休給付は非課税・社会保険料も免除されるため、80%は普段の手取り額とほぼ同水準になる、というのが厚労省の説明だ。
28日間まるごと取り、80%の対象になった場合の試算はこうなる。1万1,667円×28日×80%=約26万1,000円。半分の14日だけなら、1万1,667円×14日×80%=約13万1,000円。あくまで月給35万円という仮の数字での計算であり、実際の受給額は自分の給与実績で変わる。
出典: 厚生労働省「出生後休業支援給付金」パンフレット、厚生労働省「Q&A〜育児休業等給付〜」
給付金そのものの計算をもっと細かく知りたい場合は、男性の育児休業給付金はいくらもらえるかの記事にまとめている。また、育休中の社会保険料免除の条件(月末を含むか、同月内14日以上か)は育休の社会保険料免除の記事で詳しく解説している。

パターン1:出生後2週間だけ取る場合
最短ラインが14日間、つまり2週間だけの取得だ。退院直後の数日から、里帰りが終わって母子だけの生活が始まるタイミングまでをカバーするイメージになる。
このパターンの利点は、「出生後休業支援給付金」の条件(夫婦それぞれ14日以上)をちょうど満たせることだ。14日を1日でも切ると上乗せの対象から外れるため、「だいたい2週間」という感覚ではなく14日以上を明確に確保する意識が必要になる。
同僚のパパ社員に聞いた話では、当初「10日ほどでいいか」と考えていたが、給付金の条件を後から知って慌てて2回目の休みを追加で申請した、というケースがあったそうだ。制度を先に確認してから日数を決める方が、後戻りの手間がない。
パターン2:1ヶ月を2回に分けて取る場合
産後パパ育休の上限である28日を、2回に分けて取る使い方だ。例えば「出生直後の1週間」と「里帰りから自宅に戻ってきた頃の3週間」のように、必要な場面に合わせて配置できるのが特徴になる。
ここで気をつけたいのが、先ほど触れた「2回分をまとめて申請」というルールだ。2回目の日程を「まだ決まっていません」で通そうとすると、会社によっては申出自体を断られる可能性がある。1回目の申請時点で、2回目のおおよその期間まで決めておく必要がある。
正直に言うと、この記事を書きながら「2週間だけ取るか、1ヶ月を2回に分けるか」で僕自身も少し考え込んだ。里帰り出産があるかどうかで最適な配分が変わるため、一律に「これがベスト」とは言いにくい。里帰りがあるなら「出生直後の短期」+「里帰り明けの長期」の組み合わせが理にかなっている、というのが実感だ。
パターン3:通常育休と合わせて半年取る場合
産後パパ育休の28日を使い切ったあと、続けて通常の育休に切り替えて半年近く休む、という長期パターンもある。この場合、産後パパ育休の28日分とその後の通常育休は、67%→50%の切り替えライン「180日」に合算される。
先ほどの月給35万円の例で、約6ヶ月(183日)休んだ場合を大まかに試算すると、最初の28日は80%(約26万1,000円)、その後180日に達するまでの152日は67%(約118万9,000円)、残り3日は50%(約1万7,500円)で、合計はおよそ146万8,000円になる。単純な月給6ヶ月分(210万円)より少ないが、育休中は税金・社会保険料がかからないぶん、数字上の差より家計への影響は小さくなる。
半年という長さになると、会社側の業務調整の負担も大きい。だからこそ次の「言い出し方」が重要になる。期間の考え方は男性育休はどのくらいの期間取る人が多いかの記事も参考になる。

会社への言い出し方・申請タイミングの実例
制度が分かっても、会社へ切り出すハードルは別問題だ。産後パパ育休は法律上「原則2週間前まで」でよいが、これは最低限のライン。実務ではもっと早く動くほうが調整はスムーズになる。
🪜 言い出しから申請までの流れ(目安)
- 妊娠が分かった段階〜出産予定の2〜3ヶ月前:直属の上司に「育休を取りたい」と一報を入れる
- 出産予定の1ヶ月前まで:分割する場合は2回分の期間の見立てを含めて人事へ相談
- 出産後、遅くとも2週間前(労使協定があれば1ヶ月前)まで:正式な申出書を提出
- 復帰後:給付金の申請は会社経由で行うケースが多いため、申請状況を確認
同僚パパに聞いた話では、上司への一報が遅れて業務の引き継ぎがバタバタし、結局2回目の分割を諦めて1回にまとめた例があったそうだ。切り出すタイミングを逃すと、選べたはずのパターンが選べなくなる、というのはよくある失敗だ。
もう一つの注意点は、社会保険料の免除条件だ。同一月内で終わる育休は「14日以上」取らないと、その月の給与保険料が免除されない。「どの日をまたぐか」まで含めて給与担当と共有しておくと、あとからのズレを防げる。詳しい条件は育休の社会保険料免除の記事にまとめている。
出産にまつわる公的な給付金は育休給付金だけではない。出産でもらえるお金の記事も合わせて確認しておくと、家計の見通しが立てやすい。
よくある質問
Q1. 産後パパ育休と育休は同時に取れますか?
同じ期間に二重で取ることはできませんが、連続して取ることは可能です。出生後8週間以内は産後パパ育休、その後は通常の育休に切り替えれば、実質的に切れ目なく休み続けられます。
Q2. 産後パパ育休は非正規雇用でも取れますか?
有期雇用の従業員も基本的には対象です。ただし雇用された期間が1年未満の労働者は、労使協定を結んでいる会社に限り対象から除外できる規定があるため、会社の労使協定を確認してください。
Q3. 産後パパ育休中に給料は出ますか?
会社からの給与は無給が一般的ですが、雇用保険から出生時育児休業給付金が支給されます。労使協定にもとづき一部就業した場合は、就業した日数・時間に応じて給付額が調整されることがあります。
Q4. 育休の分割2回は、産後パパ育休と通常育休を合わせて2回という意味ですか?
いいえ、別々に数えます。産後パパ育休で2回、通常育休でさらに原則2回まで分割できるため、組み合わせ次第では何度かに分けて休むことも可能です。ただし産後パパ育休の分割は2回分をまとめて申請する必要がある点が違います。
まとめ:どのパターンを選ぶべきか
産後パパ育休は出生後8週間以内・最大28日・分割2回(まとめて申請)の短期集中型、育休は原則1歳までの長期型。組み合わせることで、2週間だけ・1ヶ月を2回に分けて・半年、という選択肢が生まれる。
やるべき人
- 出産直後のママのサポートに絞って休みたい人(パターン1:2週間だけ)
- 里帰り出産の前後で必要なタイミングが分かれている人(パターン2:1ヶ月を2回に分割)
- 保育園に入るまで夫婦でしっかり育児体制を整えたい人(パターン3:半年)
無理にやらなくていい人
- 出産予定が業務の繁忙期と重なり、どうしても2回に分ける余裕がない人(1回にまとめる選択もアリ)
- 会社が労使協定で就業可能な範囲を広く認めており、完全に休むより一部就業を組み合わせたい人
大事なのは、日数の上限や分割ルールを知らないまま会社に相談し、選べたはずのパターンを選べなくなることだ。特に「2回分をまとめて申請」というルールは見落としやすい。出産予定が分かった時点で、おおまかな日程の見立てを用意しておくと相談がスムーズになる。
この記事を書いた人
40代・2児のパパ。クレジットカード20枚を使い分け、ANAダイヤモンド会員として旅行・生活のお得情報を実践検証しながら発信している。育休や子育て関連の制度は、自分自身が子育て中の当事者として、公的機関の公表情報を確認しながら整理している。
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